ここから本文です

国家プロジェクト「SIP」、実用化・事業化前提の産学連携が着々進行

日刊工業新聞電子版 9/26(月) 13:13配信

防災や燃焼技術など11テーマ

 府省連携の国家プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」が、新しい産学官連携の方向性を切り開きつつある。内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI、議長=安倍晋三首相)が司令塔となり、実用化・事業化という出口を明確に設定した研究を推進。現在、プロジェクトは折り返し地点にあり、産業競争力に貢献すると産業界からの期待は大きい。

 SIPの期間は2014年から5年間。遠い未来に実現する革新的な技術というよりも中期的に実現可能な技術をテーマに選定。産学官のリソースを結集して、早期に成果を出すことを目指す。

 テーマはエネルギー、次世代インフラ、地域資源など11課題。例えばトヨタ自動車がプログラムディレクター(PD)を務める課題「革新的燃焼技術」はエンジンの熱効率50%以上への向上を目指す。開発した技術は18年度から基礎技術として順次、社会に提供する予定。

 内閣府は「科学技術イノベーション創造推進費」として年間500億円の予算を確保。14―16年度予算ではそのうち年間325億円をSIPに割り当てた。17―18年度もほぼ同水準を目指す。開発が一定の段階になれば企業も資金を投入するため、事業化に向けた動きが加速する見通し。「取り組みとしてSIPは素晴らしい。継続を期待している」(十倉雅和住友化学社長)と産業界は評価する。

 事業化を促すため、厳格な評価手法を採用したのも大きな特徴だ。SIP担当の松本英三内閣府官房審議官は「(外部有識者による運営会議の)評価によって課題ごとの毎年度の予算配分額がプラスマイナス20%変動する。評価が低い課題は減額し計画自体を見直すこともある」と説明する。

 欧米に比べて産学連携の成果が十分に発揮されていなかったとされる日本。SIPはこの現状を打破し、産業活性化の一翼を担う役割を担っている。そのためにも早期に成果を出し、SIPの仕組みを継続することが重要。また課題を入れ替えるなど新陳代謝も不可欠となる。

1/2ページ

最終更新:9/26(月) 13:13

日刊工業新聞電子版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。