ここから本文です

小さなベビー服に小5男子の思い 愛媛から倉敷中央病院に届く

山陽新聞デジタル 9/26(月) 10:00配信

 無事出産かなわず亡くなった赤ちゃんのために“最初で最後のベビー服”を作っている倉敷中央病院(岡山県倉敷市美和)のボランティア「グリーンはぁと」の手芸サークル。その活動に共感した愛媛県の男子小学生が、夏休みに心を込めて手作りした小さなベビー服が同病院に届いた。

 同サークルは倉敷市内の女性6人が在籍。母親の胎内や早産で亡くなった未熟児には着せられる服がなく、菓子箱に納めて帰った人もいるのを知り、身の丈わずか28センチの小さなベビー服を考案。傷心の母親らに提供してきた。

 新居浜市の小学5年の松本海璃(かいり)君(10)が活動を知ったのは、児童文学作家八束澄子さん(66)=倉敷市=の「ちいさなちいさなベビー服」(新日本出版社)がきっかけ。図書館で見つけ、母の由佳さん(41)と泣きながら読んだという。

 実は、海璃君も重い腸の病気でNICU(新生児集中治療室)に40日間も入院。多くの人の力で一命を取り留めたことを、由佳さんに聞いて育った。自分のように命をつなげなかった子のために、「僕もベビー服を作りたい」と倉敷中央病院に手紙を出した。

 7月中旬、型紙と一緒に届いた見本のベビー服は、由佳さんが保管していた海璃君のものと比べて「とても小さくて悲しくなった」。その思いを一針一針に込めたという。

 「本当は使われないのがいいですが、悲しんでいるお母さんがぼくのベビー服を選んだら使ってもらってください」。8月下旬、海璃君のメッセージが添えられ、同病院にベビー服が届いた。数日後には本人も訪れた。

 窓口になった同病院患者・職員サービス室の三宅優子ボランティアコーディネーターは「実際に行動した海璃君の思いに感激して、涙をこぼすメンバーもいた」と打ち明ける。

 由佳さんは「生きていることは特別なこと。海璃も命に向き合い、学ぶことができた」と話している。

最終更新:9/26(月) 10:00

山陽新聞デジタル