ここから本文です

「天才」の呼び声高く……『聲の形』山田尚子監督は『けいおん!』も手がけたヒットクリエイター

トレンドニュース(GYAO) 9/26(月) 19:14配信

新海誠監督の名前を世間に響かせ大ヒット上映中のアニメ映画『君の名は。』に続き、9月17日より公開された『聲の形』も動員が好調だ。こちらの山田尚子監督も新海監督と同じく、アニメファンの間では「天才」の呼び声が高いクリエイターだ。

「聲の形」公開記念特番 ~映画「聲の形」ができるまで~ (ロングバージョン)>>

■動員ランキングで『君の名は。』に続く2位

映画『聲の形』は、聴覚障害のヒロイン・西宮硝子(声:早見沙織)と小学生時代に彼女をいじめていた主人公・石田将也(声:入野自由)をめぐる青春群像劇。石田の小学生時代の声優を女優・松岡茉優が演じ、aikoの新曲「恋をしたのは」が主題歌に起用されてはいるものの、出演するのは一般層にとって名前になじみのない本職声優たちばかりで、もともとのアニメファン以外には少々取っつきにくい部分もあっただろう。しかも全国120館と比較的小規模な公開であるにも関わらず、週間観客動員数トップ10(興行通信社調べ)では初登場2位にランクインという好調なスタートを切った。

『君の名は。』で日本のアニメとしては宮崎駿監督の作品以外から初の興行収入100億円突破という偉業を成し遂げ、いまやアニメファン以外からも知られる存在となった新海監督だが、同映画が公開される前は一般知名度はゼロに等しかった。スタジオジブリ、細田守のようにブランド化した存在ではなかった監督が手がけた『君の名は。』と『聲の形』が続けてヒットし、「アニメ映画はアニメファンが見るもの」というイメージはもはや過去のものだと思わされる。

両作のヒットにより今後アニメ映画ブームが訪れることが予想されているが、その先達として新海監督だけでなく『聲の形』の山田監督もさらに注目を集めていきそうだ。

■繊細な心理描写で30代にして「天才」評価

あらためて山田監督について紹介しておこう。彼女は京都アニメーション所属のアニメ監督なのだが、アニメファンでなくとも大ヒットアニメ『けいおん!』の名前を知らない人間は少ないだろう。山田監督は同作品のテレビシリーズ、劇場版を担当して一躍アニメファンの間で名前を知られるところとなった。

山田監督の作風の大きな特徴に、繊細な心情描写が挙げられる。登場人物の内面をセリフではなく、ちょっとした表情やしぐさ、周囲の風景描写で語らせるような演出の数々は、キャラクターたちに奥行きを与える。その余白を生む演出法が存分に発揮された『たまこラブストーリー』(14年公開)では「第18回文化庁メディア芸術祭」アニメーション部門の新人賞を獲得している。

アニメ界ではかねて「天才」の呼び声高い山田監督だが、驚きなのは、京都アニメーションに入社したのは2004年と、実績のわりにまだかなり若いところだ。

■新海監督、山田監督が“アニメ映画”界を変えた?

なお近い時期に公開されたアニメ映画ということで、何かと比較して語られることの多い『君の名は。』と『聲の形』だが、新海監督は『聲の形』を称賛している。9月8日にはTwitterで、同映画を試写で鑑賞したとして、「どこまでも真摯で丁寧な組み立てで、絵も色彩もエモーションに美しく奉仕していて。上品で端正な演出は、真似したくてもとても真似られそうもなく」と感想をつづっていた。

今後ますます活躍しそうな新海監督、山田監督だが、2人が続けてヒットを飛ばしたことにより、映画界に「アニメファン以外もアニメ映画を見る」という認識が広がり、他のクリエイターたちが挑戦できる機会も増えそうだ。両監督の一番の功績は、その点にあるのではないだろうか。

(文/原田美紗@HEW)

最終更新:9/29(木) 11:50

トレンドニュース(GYAO)

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

失うことで不完全さの中に美を見出した芸術家
画家のアリッサ・モンクスは、未知のもの、予想しえないもの、そして酷いものにでさえ、美とインスピレーションを見出します。彼女は詩的で個人的な語りで、自身が芸術家として、そして人間として成長する中で、人生、絵の具、キャンバスがどう関わりあってきたかを描きます。 [new]