ここから本文です

沖縄・石垣市、自衛隊配備で議会攻防 自民まとまり「推進」決議

沖縄タイムス 9/26(月) 8:05配信

 沖縄県石垣市議会(知念辰憲議長)は16日の9月定例会最終本会議で、石垣島への自衛隊配備に関する初の推進決議を与党の賛成多数で可決した。防衛省が計画する平得大俣地区や陸上自衛隊など具体的な場所や部隊は明記せずに「配備は不可欠」とした内容。一部の市議が海上自衛隊の優先配備を訴えて分裂していた自民が一致して賛成した。推進派の思惑が奏功する一方、退席した公明は「強引。議会の信頼が失われる」などと批判し、野党側は「拙速」「数の横暴」と憤る。市民不在の決議との反発は強く、住民投票への動きも浮上している。

この記事の他の写真・図を見る

分裂していた自民が一致

 「この、石垣島への自衛隊配備を求める決議の動議を提出したい」。始まりは15日の一般質問に立った仲間均氏の一言、中山義隆市長に配備の必要性について賛否を迫った直後だった。

 中山市長は賛否を明言しなかったが、計画に関する防衛省の説明について「市民の安全・安心、生命・財産を預かる立場として十分理解できる」などと答弁。その言葉を受けるかのような形で動議は提出された。

 防衛省の計画を巡っては、6月定例会で推進、反対の両請願が不採択となった。推進の請願は賛成多数の見込みだったが、「海自が先」などと自民党石垣支部の支部長や幹事長ら3人が反対・退席にまわった。

 反発した他の自民6人は支部脱退を表明するなど分裂。9月までに自民内部で二つの新会派が発足するなど足並みの乱れが顕在化する中、市長の受け入れ表明への「環境整備」を図りたい推進派に焦りもあった。

野党「数の横暴」 公明「信頼失う」

 先送りされた議会判断は、場所や部隊など具体的中身をそぎ落としたことで、わずか約3カ月で配備推進の意思表明になった。計画中止を求める市民らの請願は総務財政委員会に付託・継続審議となったままで、野党から「(市民を)無視した決議」「議員の暴走」などと反発が相次いだ。

 また、与党の公明2人は退席理由として報道陣に手渡した手書きメモにこうつづった。〈市民に十分な説明もないままでの強引な推進決議には納得できない。これでは議会に対する信頼が失われる恐れがある〉

 一方、中山市長は決議を「重く受け止める」とし、市民の意見を聞く公聴会を年内に開く方針も語ったが、「単純に賛成が多いか反対が多いかで判断するのではなく、私が市長として決断する」とのスタンス。

 住民投票については「国の専権事項、安全保障に関わる問題なので、そぐわない」との立場を崩しておらず、何をもって判断するか明確な姿勢はみせない。

 決議を受けた市長の受け入れ表明を危惧する声も広がる中、野党側は市民団体と連携し住民発議による住民投票への動きを展開する構えだ。市全体で議論を深める流れをどう生み出すのか。島の将来を占う動きが、正念場を迎えている。(八重山支局・新垣玲央)

最終更新:9/26(月) 19:25

沖縄タイムス