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置き忘れた青春「学ぶ大切さ知った」 73歳と65歳の“高校生”笑顔の門出

沖縄タイムス 9/26(月) 10:45配信

 戦後の混乱で学ぶ機会を得られなかった潮平道子さん(73)と上地實千代さん(65)が25日、泊高校定時制夜間部を卒業した。働いたり、家族の世話をしたりするため、学校に通えなかった幼少期。「いつか学びたい」との願いを実現させ、卒業証書を手にした。2人は「最高の気分」「感謝の気持ちでいっぱい」とほほ笑んだ。

 潮平さんが同校に入学したのは70歳のころ。家庭が貧しく、母親が病弱だったこともあり、小学4年から休みがちになった。中学校にも通えず、結婚・出産後も働き詰めの毎日だったが、67歳で珊瑚舎(さんごしゃ)スコーレ(那覇市樋川)の夜間中学校に進学。「学ぶ大切さを知り、もっと学びたい一心で泊高校に進んだ」

 思い出深いのは音楽の授業で「童神」を歌ったこと。式典では舞台に上がり、学友と一緒に「旅立ちの日に」を斉唱した。

 上地さんも夜間中学を経て、泊高校に入学した。答辞を述べる大役を担い、こう語った。「過去に社会の大きな波に翻弄(ほんろう)されてしまい、どこかに置き忘れてきた青春を、泊高校で多くの友人と存分に謳歌(おうか)できたことは、忘れられない素晴らしい思い出になりました」

 式典後には抱えきれないほどの花束を受け取り、「憧れの高校生活を送れて本当に幸せ」とにっこり。大病を患った経験があり、在学中も体調不良で1週間ほど入院したことがあったが、「学校に来るとパワーをもらえた。若い人たちについて行くため、必死に勉強した」と振り返る。

 答辞では、後輩たちにこんなメッセージも送っている。「一生懸命に何かに取り組むことに年齢も時間も関係ない。一瞬一瞬を大切に、今を生きてください」

最終更新:9/26(月) 11:00

沖縄タイムス