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火力発電所にもIoTの波が押し寄せる、東京電力がGE製のシステムを導入

スマートジャパン 9/27(火) 13:25配信

 東京電力が米ゼネラルエレクトリック(GE)と共同でIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の技術を導入するのは、東京湾岸に展開する「富津(ふっつ)火力発電所」である。火力発電事業を担当する東京電力フュエル&パワー(東京電力FP)がGE製のIoTシステムを導入して、発電設備の効率改善や信頼性の向上に取り組む。

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 富津火力発電所はLNG(液化天然ガス)を利用した火力発電所では国内最大で、発電能力は504万kW(キロワット)に達する。運転を開始した順に1~4号系列に分かれていて、IoTを導入するのは最新鋭の4号系列である。1基あたり50.7万kWの発電設備3基で構成する。

 GE製のIoTシステムは「Predix(プレディックス)」と呼ぶ製品だ。発電設備などから収集した大量のデータを処理して性能向上や故障検出に利用できる。富津火力発電所ではPredixの機能のうち「アセット・パフォーマンス・マネジメント(APM)」から導入していく。APMを使って発電機のタービンに設置した多数のセンサーからデータを収集して運転状況を監視できる。

 さらにAPMのほかにもPredixが提供する各種のデータ処理・分析機能を活用する。IoTを使って火力発電所を効率的に運用する「デジタル・パワー・プラント」の日本初の試みとして発展させる方針だ。

 富津火力発電所で実証したノウハウを生かして、他社にもサービスを提供して発電事業の拡大につなげていく。「国内外の火力発電所に対するソリューション・サービスをIoTで提供して、新たなビジネス領域に挑戦する」(東京電力FPの佐野敏弘社長)。

発電設備はGEと東芝の共同設計

 東京電力FPは東京湾岸を中心に15カ所の火力発電所を運営している。発電コストの低減に向けてLNG火力と石炭火力の高効率化を進める一方、コストの高い石油火力からLNG・石炭火力に設備を更新する計画を推進中だ。その中で富津火力発電所はLNG基地を併設して中核の役割を担っている。

 IoTを導入する4号系列の3基は2008年から2010年にかけて相次いで運転を開始した。東京電力FPが「MACC(More Advanced Combined Cycle、超先進複合発電)」と呼んでいる発電方式を採用して、国内のLNG火力では最高水準の58.6%の熱効率を発揮する。

 高効率の火力発電設備をIoTで収集したデータで監視することによって、日々の需要に合わせた効率的な運用とトラブルの少ない運転体制を維持していく狙いだ。富津火力発電所の4号系列に採用したMACCはGEと東芝が共同で設計・製造を担当した。複合発電設備のうち、蒸気タービンを東芝、ガスタービンをGEが請け負っている。

 GEが開発したIoTシステムのPredixは他社の機器にもセンサーを設置して同じように管理できる。発電設備を構成する機器をテンプレートに登録して、データの処理方法をワークフロー・ツールで定義すると、センサーから集まる大量のデータを分析するシステムを構築できる仕組みだ。

最終更新:9/27(火) 13:25

スマートジャパン