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公開直後にトラブル発生のAnniversary Updateが「Windows 10安定版」となる日

ITmedia PC USER 9/27(火) 6:25配信

 Windows 10で2回目となる無料大型アップデート「Anniversary Update」の配信が2016年8月2日にスタートしてから、2カ月が経過しようとしている。PCやハードウェアの構成によっては動作検証が遅れているなどの理由で、Anniversary Updateの配信は一部停滞していたが、既にアップデートを済ませたという個人ユーザーは少なくないだろう。

【画像】更新されるWindows 10のサポート期間

 一方、MicrosoftはAnniversary Updateの公開直後に「Windows 10がフリーズするようになった」というユーザーからの報告を受け、この問題を修正する更新プログラムを公開したり、対処方法をサポートサイトで説明したりしている。その他にも、Anniversary Updateの導入で何らかの不具合が生じたというユーザーの声は少なくない。

 こうしたトラブルは個人ユーザーでも迷惑だが、PCの生産性が利益に直結するビジネスシーンでは致命的と言える。とはいえ、アップデートはいつかは適用しなければ、Microsoftのサポート対象から外れてしまうし、セキュリティ上のリスクが高まることになってしまう。それでは、ビジネスでWindows 10を導入しているユーザーは、どのタイミングでAnniversary Updateを適用することをMicrosoftは想定しているのだろうか。

●Windows as a Serviceのサポートサイクルとは?

 MicrosoftはWindows 10のテーマとして「Windows as a Service(WaaS)」を掲げているが、大型アップデートの定期的な配信によって、ユーザーグループ(MicrosoftはBranchと呼ぶ)ごとのサポートサイクルがどのように変化するのかをまとめている。

 2015年7月29日にWindows 10(1507)が公開された後、2015年11月12日にWindows 10で初めての大型アップデートとなる「November Update(1511)」、2016年8月2日に2回目の大型アップデートとなる「Anniversary Update(1607)」が配信されてきた。

 ここで注意したいのは、先に挙げたNovember UpdateとAnniversary Updateの配信日とは、個人ユーザー向けの「Current Branch:CB」を対象としたもので、企業ユーザー向けの「Current Branch for Business:CBB」に配信が開始されるのは、CBから4カ月後になるということだ。

 CBBでは基本的に2世代先の大型アップデートの開始まで「アップデート猶予期間」が存在する。例えばNovember Updateを適用していない状態のWindows 10でCBBを運用している企業ユーザーは、2016年12月のAnniversary Update配信時までにアップデートしない限り、サポート対象外となってしまう。

 現状のMicrosoftは1年に2回、具体的には春と秋にWaaSとして大型アップデートを提供する計画を表明している。このルールにのっとれば、次の大型アップデートとなる「Redstone 2(RS2)」は2017年3~4月ごろにCB向けの配信が開始され、現在November UpdateをCBBで利用している企業ユーザーはその4カ月後の7~8月ごろまでにAnniversary Update以降にアップデートする必要がある。年2回のアップデートということで、すなわちCBBのユーザーは少なくとも1年に1回のペースでOSを更新しなければならない。

 なお、個人ユーザー向けのCBについては「常に最新の状態でいること」が推奨されており、アップデート時期の選択肢はない。基本的に、Windows 10におけるバグの修正やセキュリティ対策を含むアップデートは「Cumulative Update(累積的アップデート)」の形でCBに付随しており、これが提供されている期間が実質的なサポート期間になると考えられる。

●Anniversary UpdateはWindows 10の安定版となる(ハズ)

 さて、問題はCBともCBBとも違う「LTSB(Long Term Service Branch)」におけるサポートサイクルだ。検証や展開期間を必要とする企業ユーザーが対象のCBBに対し、LTSBは「安定稼働を求められる企業クライアントまたは特定用途」が対象となる。

 そのため、CBで最短4カ月、CBBで最短8カ月となっている最低サービス期間が、LTSBは10年と非常に長い。また、LTSBはその間、機能の追加や変更が行われないこともCBやCBBとは異なる。

 10年間も大型アップデートを適用しない運用が可能なLTSBだけに、WaaSにおける配信サイクルは特殊だ。現在LTSB向けに配信されているのはWindows 10の初期バージョン(1507)だが、CBBに先駆けて、2016年10月1日にAnniversary Updateが配信される。

 つまり、少なくともこの時点で配信されるアップデート(Anniversary Update)はLTSBとしての安定稼働を求められるわけで、ある意味で累積的アップデートを含むAnniversary Update提供のデッドラインとなる。Microsoftによれば、「次のLTSBは少なくとも2~3年以上先」とのことで、当面はWindows 10における安定バージョンがAnniversary Updateになるだろう。

 なお、Windows 10自体のサポート期間は現時点で2025年10月1日(延長サポート)とされている。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

最終更新:9/27(火) 6:25

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