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【凱旋門賞】マカヒキ友道調教師が競馬界の女神に語った“勝利の青写真”

東スポWeb 9/27(火) 21:33配信

【凱旋門賞(日曜=10月2日、仏シャンティイ競馬場芝2400メートル):稲富菜穂のだいじょばない・特別編】競馬ファンにとって歴史的な一日となるか――。今週末の日曜(10月2日)は中山競馬場のスプリンターズSで秋のGI戦が開幕。一方、同日夜はJRAが史上初めて海外の馬券を発売する第95回凱旋門賞がフランスで行われる。欧州調教馬以外の優勝はない世界最高峰の一戦に挑むダービー馬マカヒキの勝算は?「だいじょばない」で渦中の人物を直撃してきた“競馬界の女神”稲富菜穂は、同馬を管理する友道康夫調教師(53)の胸中に迫った。

 稲富菜穂:今週末は凱旋門賞! いよいよ来ましたね~。まずは率直な現在の心境を聞かせてください。

 友道康夫調教師:いきなりだけど、いよいよ来たな…との感じではないんだよ(苦笑)。前走のニエル賞から中2週しかないでしょ? 早かったという印象のほうが強いんだ。

 稲富:あ、そうなんですか。そういえば、前哨戦が行われたのは今月の半ばでしたものね。

 友道:レース間隔を1か月くらいは空ける日本とはちょっと違うかな。それでも彼らは状態をしっかりと上げてくる。

 稲富:あちらの馬はタフなのでしょうか?

 友道:でも、それはマカヒキも同じだよ。1週前にハロン15―15秒ペースよりも強い内容の調教をしているし。前走はあくまで前哨戦だからね。

 稲富:その前走では落鉄したそうですけど。

 友道:右トモをね。レースが始まった直後に…という声もあるけど、ルメールは「直線じゃないか」と。いずれにしろ、爪に影響がなかったのは良かった。

 稲富:圧倒的な人気(単勝1・4倍)でしたし、勝って当然…という雰囲気が漂っていたと思うのですが。

 友道:こっちは不安で仕方がなかったのにね。だって、フランスで初めての競馬だよ。新馬戦みたいなものでしょう。1倍台のオッズに「おいおい、大丈夫かよ」と。

 稲富:当日のマカヒキの雰囲気は? いつもと同じだったんですか?

 友道:競馬場に行くまではね。相変わらず馬房の中で寝ていたしね。みんなで「絶対に放牧と勘違いしているよな?」と言ってたんだ。

 稲富:う~かわいい!

 友道:でも、競馬場に行ったらスイッチが入ったのか、この馬にしては珍しく立ち上がったりしてね。そんな姿は初めて見たから驚いたよ。

 稲富:おおっ、なんだかマカヒキらしくないですね。

 友道:競馬場の馬房の場所が良くなかったみたい。目の前が検体をする場所で、多くの馬が目の前を何度も行き来したから。でも、今度は大丈夫。馬房の場所を変えてもらうことにしました。

 稲富:そんなことがあったんですね。では、改めてニエル賞を振り返ってもらえますか。5頭立ての3番手でした。

 友道:ルメールと「逃げる形の競馬だけはしたくない」と。理想の形だったと思うよ。折り合いもしっかりついていた。

 稲富:2着とクビ差の接戦でした。その結果については?

 友道:見ている僕らは少しハラハラしたけど、ルメールは余裕たっぷりだったみたい。それがレース後の「簡単に勝ちました」というコメントになったのかも。

 稲富:それ、確かに言ってました! でも、それを聞いて「この着差なのに?」とか、思っちゃったんですけど…。

 友道:上がりの速い競馬になったから、差はつきにくいよね。

 稲富:かなりのスローペースでした。それなのに、ルメール騎手がなかなか追い出さないからヒヤヒヤしちゃって。

 友道:僕らも「ずいぶんと仕掛けを待つな」と思いながら見ていた。でも、実は本格的に追い出す前に、ルメールは1度仕掛けているんだって。

 稲富:え? そうなんですか?

 友道:でも、軽く促しただけでものすごい反応をしたから「まだ行くところじゃない」と。絶対に差し切れると思ったので、脚を計る形の競馬をしたんだ。

 稲富:スゴ~イ! やっぱりマカヒキの魅力ってその瞬発力ですよね。

 友道:それにね、シャンティイの芝が思っていた以上にマカヒキ向きだった。いわゆる欧州の芝って、デコボコで緩いというイメージだと思うんだけど、シャンティイはまるで違ったよ。

 稲富:具体的には?

 友道:平らに整地されていて、まるで日本の競馬場のよう。それも東京とか、新潟のような速い時計の出る芝。地盤がかなり硬いし、水はけもいいんだ。

 稲富:どうしてですか?

 友道:なんでも、昔は採掘場だったんだって。それが水はけのいい理由みたいだね。少々の雨なら緩い馬場になることはなさそうだし、レース当日は仮柵も外すことになる。本番も速い上がりが必要になると思うな。

 稲富:そんな状況で大事になるのは…。

 友道:位置取り。できればある程度のポジション…5番手くらいが欲しいね。あまり後ろだと届かないし、外を回すロスも大きいから。

 稲富:馬群を割ってくるような競馬をイメージしている、ということですか?

 友道:そう。だから、それに近いレースをダービーで経験できたのが、実は大きかったと思っている。ルメールも「スタートだけは出したい」と言っているよ。

 稲富:私にも勝利のイメージが見えてきました!

 友道:前走よりも間違いなくペースは速くなるけど、マカヒキにとっては逆に都合がいい。最大の課題は多頭数をどう克服するかになるかな。枠番が大きなポイントになりそうだね。

 稲富:いい枠が引けることを祈ってます。

 友道:祈っていてください(笑い)。

 稲富:本日はありがとうございました。

〈取材後記〉フランスから帰国していた友道調教師に直前インタビュー。な、なんといっても凱旋門賞ですよ。とても光栄でした! フランス語なまりだったらどうしよう、なんてアホな事を考えていましたが、いつもの優しくて朗らかな先生にほっこり。さらに、マカヒキは「フランスでも変わらず寝ていたよ」と。そのかわいい様子を想像したら、先生の話が頭に入ってこなかった…のは内緒です(しっかり取材しろ)。フランスにいるくせに、どこまでも振り回すマカヒキ君がいとおしいぜ! 友道調教師には緊張している様子がありませんでした。フランスの関係者から「優しくて献身的なサポートを受けている」ということで安心感を持って挑んでいるなぁ、というのが今回の素直な感想です。とにかく心から応援しています。頑張れ、チーム・マカヒキ!!

☆ともみち・やすお=1963年8月11日生まれ。兵庫県出身。厩務員、調教助手を経て2001年に調教師免許取得、翌02年開業。08年天皇賞・春(アドマイヤジュピタ)、09年皐月賞(アンライバルド)などJRA・GI・6勝(重賞28勝)。

☆いなとみ・なほ=1990年12月16日生まれ。関西在住のタレントとして幅広く活躍し、現在はKBS京都の「競馬展望プラス」、ABC「おはよう朝日です」に出演中。彼女が取材した馬が激走することが多いことから、一部のトレセン関係者から「競馬界の女神」と呼ばれている。

最終更新:9/27(火) 21:37

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