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「みなし残業」めぐるトラブル 匿名ブログの指摘を受け「転職ドラフト」運営会社が謝罪

ITmedia ビジネスオンライン 9/27(火) 12:37配信

 転職サービス「転職ドラフト」を開催するリブセンスは9月26日、同サービスに関する匿名ブログの指摘を受け、経緯説明と今後の対策を発表した。選考前に提示された年収と内定後の年収に差があるという指摘で、みなし残業の告示の有無が問題になっていた。

【匿名ブログによる指摘が話題に】

●転職ドラフトが受けた指摘とは?

 転職ドラフトとは、2015年11月にスタートしたITエンジニア限定の転職サイト。選考をしてから年収を決定するのではなく、年収を決定してから選考に入る仕組みを特徴とする採用イベントを不定期に開催している。企業が応募者のプロジェクト経験やスキルを見て、年収と仕事内容を提示して指名を入れるので、応募者は年収と仕事内容を見た上で選考に進むかどうかを判断できるというメリットがある。「実際の年収は指名額の9割以上を保証する」というルールもあるため、内定後のギャップトラブルも回避できることを売りにしている。

 16年4月に開催した第1回転職ドラフトでは、参加社数は17、総指名数は393。7月の第2回では、参加社数45、総指名数は1316に上った。第3回の開催も予定し、滑り出し好調のサービスだ。

 しかし9月25日、匿名ブログに転職ドラフトの「提示年収」に関する指摘記事が投稿された。「指名時に550万円の提示があったが、内定後に提示された金額が約429万円で9割に満たない」「みなし残業代(25時間)を含めると491万になると言われたが、みなし残業を含めてもなお9割にならず、提示金額に届くには30時間の残業をしなければならないのは不適切ではないか」といったもので、ネット上で大きな話題となった。

 みなし残業(固定残業制度、みなし労働時間制)とは、企業が一定時間の残業を想定し、残業代をあらかじめ固定で記載する制度。営業職、研究職、エンジニア、専門職などの労働時間を正確に把握しづらい職種で適用されることが多い。

 残業時間が少なくとも固定額が支給されるのはメリットだが、企業によってはみなし残業時間分は働くことを暗に要求したり、みなし残業の規定以上の残業時間を「サービス残業」としたりするなど、誤った運用がされていることもある。また、求人の際にみなし残業制であることを明記せず、実際よりも好条件に見せる「見せかけの高給」求人も問題になっている。

 転職ドラフトでは、みなし残業を年収に含めることについては特に問題にしておらず、参加企業に対し、みなし残業制の有無についての告示義務も課していなかった。

●リブセンスによる経緯説明と今後の対応

 リブセンスはこの指摘を受け、同25日の深夜に「私達のこれまでの認識が甘く、また事前の規定、対応ともに不十分だったと反省しております」と謝罪。26日には詳細な見解と今後の対策について発表した。

 同社は確認を行い、匿名ブログでの指摘は事実であること、また同様の問い合わせが他のユーザーから来ていたことを認めた。それを踏まえ、「提示年収に関する定義が曖昧だった」「みなし残業代を提示年収に含める行為について、問題がないと認識していた」とし、「これまでにも提示年収に関するトラブルがあったにもかかわらず、定義見直しやルール整備が遅れてしまった」とあらためて謝罪した。

 今回指摘を受けた企業側にも聞き取りを行ったところ、「年俸制を採用していない当該企業が、見込み年収で提示する必要があり、基本給と賞与に加えて、(見込まれる)残業代を加味した」「上記をもとに算出すると、ブログの方とお問い合わせいただいた方(1件)ともに、提示見込み年収の90%を超えていた」と回答したという。

 次回の第3回転職ドラフトでは、「固定残業代(定額残業代・みなし残業代)の有無」「 固定で支給される賞与の有無」「その他手当の有無、内容」について明示する仕様に変更を決定。また、提示年収を「内定時に無条件で支給確約できる金額に限る」と定義した。

 今後は、このルールと定義を参加企業に周知し、順守を徹底。ならびに、面談設定後や内定後のユーザーに対し、アンケートやヒアリングを行い、継続的な検知体制を構築するという。

最終更新:9/27(火) 12:37

ITmedia ビジネスオンライン