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少子化で打ち手不足 それでも守る伝統の祭り太鼓

両丹日日新聞 9/27(火) 8:01配信

 福知山市牧の一宮神社で、秋祭りに奉納する京都府無形民俗文化財の練り込み太鼓の練習が始まった。打ち手は子どもたちで、指導者はかつて打った大人たち。少子高齢化が進み、打ち手の確保が難しい課題に直面しながら、江戸時代中ごろから続く伝統芸能を守り続けている。

 練り込み太鼓は、太鼓屋台に乗せて引く大太鼓を打つ子ども7人と小太鼓の大人1人で構成する。円陣になり打ち巡る「練り込み」など三つの打ち方がある。

 一つを大勢で打ち巡る太鼓芸能は府北部でも珍しく、1966年(昭和41年)に市無形文化財、86年(同61年)に府無形民俗文化財に登録された。

 大太鼓の打ち手は、以前は「一宮神社氏子の12歳長男」という決まりだったが、時代の変遷で条件を緩和して、今は氏子にこだわらず「小学6年生から中学生の男子」にしている。今年は中学生5人が集まり、一宮神社境内に張ったテントの下で22日から夜間の練習が始まった。

 指導者は、地区内9組を三つに分けた当番組が持ち回りして、今年は4~6組が担当。指導者の一人、牧隆躬さん(75)は「今年のように7人に達しないときもあるけれど、一度やめてしまうと、きっと復活は難しい。子どもたちが打ってくれる姿を見るとうれしくなる」と話す。大人の小太鼓も30~50歳代の若手への継承が進み、「頼もしい」と目を細める。

 子どもの打ち手は、経験者の中学2年生1人、3年生2人に、初挑戦の1、2年生各1人が加わる。

 昔は厳しさ一辺倒だった練習も、楽しさを見いだせる内容へと改めている。大人と一緒に、経験のある子どもたちが自主的に指導にあたり、良い雰囲気の場をつくる。

 夜間練習は「正直大変」だが、「そろいの着物、化粧まわしの衣装に袖を通すと気合が入る」と経験者は口をそろえる。初めて挑む1年生の牧太輝君も「やる気は十分。先輩も教えてくれるので、しっかり覚えたい」と意気込む。

 これから祭り本番まで、夜の集落に太鼓の音が響く。「少し離れた家にも聞こえる。今年はどんな音かな」と、元打ち手の住民が耳を澄ます。

 秋祭りは10月の体育の日の前日の日曜日に営まれ、今年は10月9日午後1時から始まる。神事の後、練り込み太鼓、屋台囃子、神輿巡行、馬掛け、獅子舞などがある。

両丹日日新聞社

最終更新:9/27(火) 8:01

両丹日日新聞