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軟こう型のマラリア治療薬開発へ 岡山大大学院の金准教授ら

山陽新聞デジタル 9/27(火) 0:00配信

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の金恵淑(キム・ヘスク)准教授(医薬品開発学)の研究グループは、肌に塗ったり貼ったりする軟こうタイプのマラリア治療薬の開発を進めている。薬効のある化合物を既に見つけ、マウスの実験で効果を詳細に調べており、実用化に向けて共同研究に取り組む企業などを探している。

 マラリアは蚊が媒介する感染症。世界保健機関(WHO)による2015年の推計では、患者は世界中で約2億1千万人に上り、乳幼児を中心に約43万人が死亡したとされる。

 金准教授らはこれまでの研究で、過酸化物の一種「ペルオキシド」を含む有機化合物がマラリア原虫に優れた薬効を示すことを発見。この化合物は粉末で安価に大量生産できるメリットがあり、マラリア薬の候補として特許を既に取得した。

 当初は錠剤での実用化を目指したが、患者に小児が多いことから、より使いやすい塗り薬や貼り薬への応用を検討。マウスを使った実験などでは経口投与に比べ、塗り薬の方が化合物の投与量を半分程度に抑えられることも確認した。

 ここ数年の国内でのマラリア患者の報告数は、国立感染症研究所によると、いずれも海外渡航歴のある年40~70人程度にとどまる。治療薬については「国内での需要が乏しく、日本の製薬会社が関心を持ちにくい」(同大研究推進産学官連携機構)とされるが、今後、製薬会社やベンチャー企業などと共同研究を行い、実用化を目指す。

 金准教授は「成果を社会に還元するのが大学人の責務。課題を克服し、治療薬の開発に挑戦したい」と話している。

最終更新:9/27(火) 0:00

山陽新聞デジタル

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