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IOC公式フォトエージェンシーが語る、リオ五輪の舞台裏と2020年・東京五輪での進化

SENSORS 9/27(火) 12:00配信

リオ五輪の熱気冷めやらぬ中、次なる2020年東京五輪は“歴史上、最も近未来的なオリンピックになる“と世界各国のメディアで報道され早くも注目が集まっている。技術大国・日本として、どのような最新技術を取り入れ、それらが日本を豊かにしていくのか。リオ五輪・そして東京五輪のIOC公式フォトエージェンシーであるゲッティイメージズの副社長兼ゲッティイメージズ ジャパン代表取締役社長・島本久美子氏にお話を伺った。

右脳思考”と”左脳思考”の融合「テクニカルアーティスト」の仕事

かつて1964年に行われた東京五輪では、新幹線と衛星放送という二つの大きな技術の躍進があり、五輪後も人々の生活を豊かにした。あれから半世紀以上経ち、ロボットタクシーや顔認証セキュリティ、AR、VRなど様々なテクノロジーがうまれている現在。2020年に予想される撮影・発信という観点からの技術進化、そしてIOC公式フォトエージェンシーとしてのリオ五輪の舞台裏についても語って頂いた。


--ゲッティイメージズにとって、リオ五輪はいかがでしたか?

島本:オリンピックのような大きなスポーツイベントでは、“歴史に残る写真“というものが撮れるチャンスが多いです。なので、フォトグラファーたちもそのチャンスを狙い、思いを込めた1枚を撮影してくれます。今回、撮影総数は150万枚、その中から117,000枚をセレクトし世界中へ配信しました。
今回“歴史に残る写真“とSNSでも話題になったのがウサイン・ボルト選手の100M準決勝の写真です。身体ひとつ以上差をつけた圧倒的な速さ、準決勝にも関わらず余裕の表情を浮かべ、カメラ目線で笑顔をみせるボルトのお茶目な人柄も出ており、いい写真だなと私たちも感じています。

■水中カメラ、360°カメラ・・・リオ五輪で使用された様々な撮影技術

今回のリオ五輪では、スポーツ撮影で実績のある40名以上のカメラマンが派遣され、彼ら全員に360°カメラが渡されるなど最新の撮影機材や技術を駆使することで、五輪の雰囲気や選手たちの競技中を瞬時に捉えた写真が生まれた。実際に、どのようなテクノロジーが活用されたのだろうか。


--リオ五輪では、どのような撮影技術が活用されたのでしょうか?

島本:今までで一番多い、20台のロボットカメラを投入しました。そのうち2台は、競泳やシンクロナイズドスイミングなどプールを使用する競技を水中から撮影できる“水中ロボットカメラ“。今まで観ることができなかった角度から競技の瞬間をとらえることができました。

ロボットカメラはロンドン五輪から本格的に採用されたのですが、以前は一度設置するとアングルを変更することができませんでした。リオ五輪で採用したロボットカメラはアングルを動かすことができ、シャッターを押してから撮影までのラグタイムが少なくなったため、今まで見たことのない角度から競技の瞬間を撮影できるようになりました。
例えば水球の競技中を撮影したこの写真(記事上)。足を絡ませ合い、水面下でも戦っていることがわかり、競技の緊迫感が伝わってきます。

今回のロボットカメラは、リモートでアングルを変え、ズームインアウトができるようになりました。実はコントローラーはゲームが好きな社員からのアイディアで、ゲーム機と同じジョイスティックを使用していました。ゲーム好きなフォトグラファーたちは、初めから上手に使いこなしていましたね。

またフォトグラファー全員に360°カメラを渡しました。通常のカメラとは異なり選手の表情など細かい部分は写りませんが、会場全体の雰囲気がわかることが360°カメラの醍醐味です。例えば錦織選手の競技中の写真では、お互いが打ち合う競技風景だけでなく、その試合を観戦する観客の表情、街の風景、天気などスポーツ観戦全体を楽しむことができます。

これら撮影した写真は、会場に100kmの光ファイバーケーブルをつなぎカメラからPCまで120秒で配信出来るようにしていました。ボルト選手の決勝大会では試合終了後59秒で世界中の報道機関に配信する、という最短配信記録を打ち出しました。

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最終更新:9/27(火) 12:00

SENSORS

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