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中国の「世界最大」電波望遠鏡は観光地? 1日2千人様限定の理由は?

sorae.jp 9/27(火) 8:32配信

中国貴州省で7月に建設工事が完了した、500メートル球面電波望遠鏡(FAST)。観測開始へ向けて、機能の調整や点検作業が進められてきましたが、いよいよ9月25日から正式運用が始まりました。カルスト台地の「窪み」を利用して作る同形式の電波望遠鏡としては、プエルトリコにあるアレシボ天文台の305mを抜いて世界一の大きさを誇るFAST望遠鏡、これからどんな発見が待っているのか楽しみです。

宇宙を見つめる「天の眼」が観光客の「受け皿」に?

FAST望遠鏡はその科学的価値のほかに、観光地としても期待が寄せられています。貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州平塘県ではFAST望遠鏡への交通の便を確保するため、全長約24キロメートルに及ぶ観光道路を整備し、FAST望遠鏡の周囲には、望遠鏡を一望できる観望台を設置。このほか観光センターや天文体験館、宿泊施設などで構成される天文科学文化園を建設して、観光客の受け入れ態勢を整えています。同県観光事業局はこれらを「平塘電波望遠鏡景観区」として、9月26日より運営を開始します。

平塘県は周囲を水に囲まれた風光明媚な土地で、張三豊(明の時代に太極拳を編み出したとされる伝説の人物)がこの地を訪れた際に吟した詩からとって、「玉水金盆」と称されているそうです。この自然の観光資源に続いて、FAST望遠鏡という直径500メートルの「金盆」を手に入れた同県にとって、新たな観光の目玉になっていくのでしょう。

でもFAST見学は毎日2000名様限定?

ただし、電波望遠鏡は携帯電話やその他電子機器の発する電波の影響を受けないようにする必要があることから、観望台に昇る際には電子機器の携帯は一切禁止。また、望遠鏡の安全な運用のため、望遠鏡のある中心区域への一般車両の通行も制限されていることから、観望台までは専用の観光バスで移動する形式となり、見学できるのは1日に2000人までとなっているとのこと。

FAST望遠鏡の運用に関連して、黔南プイ族ミャオ族自治州では環境保護条例を制定しています。9月25日より施行されるこの条例によれば、望遠鏡を中心とする半径5キロメートルを中心区域、10キロメートルまでを中間区域、30キロメートルまでを周辺区域と定め、違法建築や違法電波を禁止することなどが明記されています。違反者には最高10万元の罰金が課せられるとか。FAST望遠鏡見学の際には、ポケットにスマホを入れっぱなしだった、なんてことがないように気を付けたほうがよさそうです。

最終更新:9/27(火) 8:32

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