ここから本文です

【インタビュー】“コーヒーだけではない”スターバックス上陸20年の戦略

Fashionsnap.com 9/27(火) 19:46配信

 「スターバックス(STARBUCKS)」が日本に進出してから今年で20周年。1996年8月の上陸前のことを「誰も成功を信じなかった」と話すのは、グローバル店舗ビジネス グループプレジデントのジョン・カルバーだ。いまや全国1,200店舗超を構える日本は、世界でも第3位のビッグマーケットに成長を遂げている。舌が肥えた日本人になぜ受け入れられ、街の一部となったのか。コーヒーだけではないという「スターバックス」ならではの戦略と新たなビジネスとは。

【スタバ20周年イベントは大盛況】松屋銀座前に200人以上が列

日本進出は「成功すると思っていなかった」

―スターバックスは1996年に日本上陸。当時の日本進出の狙いは?

日本は商品だけではなく店舗作りやクリエーティブな面から見ても先進的な国で、イノベーションの可能性があると有名でした。「日本でうまくいけばグローバルでも成功するだろう」という考えからチャレンジで出店することになりましたが、正直に言うと、スターバックス内部だけではなく社外の人も、北米以外で成功するとは思っていなかったんです。それが1996年8月2日に日本1号店となる銀座松屋通り店がオープンすると長い行列ができて、最初のお客さんが「ダブルトールラテをください」とオーダーしてくださいました。日本の皆さんに受け入れてもらえたことが、日本やグローバルで展開する勇気に繋がりました。日本がなければグローバルでの成功もなかったので、日本は今でも戦略的に非常に重要なマーケットと位置付けています。

―今では75カ国に2万4,000店舗を運営。その中でも日本は世界で3番目に大きなマーケットに成長しました。日本市場の特徴は?

細やかな配慮には来日する度に驚かされますね。クオリティの基準も非常に高く、「品質が高くなければ何に関しても満足されない」というすごく厳しいマーケットと認識しています。私達のコーヒーは、世界中でベストと言われている標高1,200メートル以上で育ったわずか3%のアラビカ種の豆を使って提供させて頂いていますが、日本にはさらに高いクオリティを求めるお客様が大変多いですね。日本進出20周年を記念した「1996 ブレンド」についてもアラビカ種の中でもトップのクオリティにこだわっていますし、期間限定のコーヒー豆を提供する「リザーブ」などを通じて“コーヒーのリーダーシップ“を示していかないと、日本の皆さんを満たすことができないと思っています。

日本市場のもう一つの特徴は、スターバックスのパートナー(スタッフ)のお客様に対するサービスクオリティの高さです。お客様を素敵な笑顔で迎えてウェルカムな気持ちにさせてくれるだけではなく、お客様が希望する商品をきちんと作りスペシャルな時間を提供するなど、上手にコネクトしています。今後もパートナーの皆さんがサービスクオリティを維持できる環境作りのために投資していかなければいけないと考えています。

―昨年に日本支社を完全子会社化して1年が経過しました。大きな変化はありましたか?

「決定」が早くできるようになりました。他国で展開されていることを日本なりに解釈して持ってくることができますし、逆に日本で生まれたイノベーションを海外に持っていくこともできるので、色々なアイデアの交換ができることは大きなメリットになりました。ただ、その国にとって意味のあるものにしなければ成功はできません。ローカルのチームの人たちがローカルのことを一番わかっていますし、それが私たちの成功のコアとなっているので、今後もこの体制は続けていきたいと考えています。パートナーに関して言えば、「投資」の一環として“交換留学“のように他の国で働くなど、グローバルで全体の能力を上げていくことも検討しています。

―アメリカではパートナーのドレスコードを緩めるなど、個性を取り入れる動きもありますね。

アメリカでは「もっと自分なりの個性を出したい」という希望があって採用しました。日本でもそういう希望があれば、日本にあった形で取り入れ、パートナーが自己表現を自由にできる環境作りをしていきたいですね。また、スターバックスは服装だけではなく多様性を重視し、店舗ごとでパートナーの個性を活かしたコミュニティサービスを行っています。日本国内でも、店舗側から主導してクリーンアップに取り組んだりしているんですよ。私たちは利益だけを追求するのではなく、毎日の体験を作ってくれているパートナーや地域のコミュニティに何を還元できるのかを考え、社会的に意義のあることを実行する会社でありたいと思っています。

1/2ページ

最終更新:9/27(火) 19:46

Fashionsnap.com

なぜ今? 首相主導の働き方改革