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「江戸東京野菜」が面白い!23区内で生産、ブランド化進む

ニュースイッチ 9/27(火) 12:10配信

高級住宅街で地産地消

 高層ビルやマンション、大型店舗など各種施設がひしめく大都会・東京。農業のイメージとはほど遠いが、住宅街の片隅には今でも野菜を栽培する農家が残る。近年、東京23区内でこれらの野菜を手軽に食べられるようにするブランド化の動きが加速している。地元野菜の地産地消や名産品化は東京の新たな魅力発信につながっていく。

 「朝採れたものを鮮度のいいうちに調理し、地元の人に食べてもらう」。東急田園都市線二子玉川駅から徒歩圏内にある「ゆっくりとカフェ」(東京都世田谷区)の山下洸平店長は、店のコンセプトをこう話す。同カフェはJA東京中央の農産物直売所の2階にあり、世田谷区内の農家が地元で栽培した野菜を使ったメニューを提供する。季節に合わせてトマト、ナス、キュウリ、冬瓜などさまざまな野菜を取り入れる。メニューは1週間に1回のペースで更新しており、おしゃれな店内は常に主婦や親子の憩いの場となっている。

 今後、山下さんは地元の農家を訪ね、さらに連携を緊密にしたいという。高級住宅街が多い同区で地元野菜の地産地消を目指す。

<意外!製麺所が多かった区>

 「冷麺やハンバーガーなどを作ったが“ご当地”の根拠があいまいだった。突き詰めた結果、うどんの案が浮かんだ」と振り返るのは、あだち菜うどん学会(同足立区)の渡井良昌理事長。足立区内で生産した小松菜を「あだち菜」と称し、ブランド化。うどんに練り込み「あだち菜うどん」として販売する。

 足立区の地域活性化を目指し、異業種の有志が東京商工会議所足立支部の呼びかけに応じたことが誕生のきっかけ。地域に製麺所が多い点に着目し、うどんに練り込むことを思いついた。通常の練り込み麺の材料含有率は1―5%程度なのに対して、ピューレ状にした生のあだち菜を20%含む。4倍以上を練り込むことで着色料を使わず、鮮やかな色と風味を実現した。

<「ふるさと納税」寄付者の返礼に>

 パウダーとピューレを合わせて練り込み乾麺にすることにも成功。「おみやげ乾麺」として足立区内の飲食店や「千住 街の駅」、東京都庁第一庁舎内売店などで販売している。消費税抜きの価格は450円。6月には「ふるさと納税制度」を発展させ、寄付者が使い道を選んで寄付する「あだち虹色寄付制度」の返礼品となった。パッケージには区内の寺院「易行院(いぎょういん)」に歌舞伎の登場人物で有名な「助六」の塚があることから助六を描いた。

 現在は「あだち菜パスタ」も開発し、区内の小中学校や福祉施設に提供。一般消費者向けの商品化も目指す。研究開発費などに充てるため、11月25日までクラウドファンディングを実施中だ。

 地産地消から名産品産出へ。地域で地元農家と連携しさらなる展開へと歩を進める取り組みも活発だ。

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最終更新:9/27(火) 12:10

ニュースイッチ