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名良橋晃の定点観測♯25「ハリルJは連係不足や守備組織の非構築がサイドバックの動きを制限している」

theWORLD(ザ・ワールド) 9/27(火) 16:30配信

動きが中途半端になると、相手にスキを与えてしまう

W杯アジア最終予選の初戦は本当に難しく、なにが起こるかわからない。そう考えていましたが、UAE戦の敗戦は想定外でした。立ち上がりから良い流れで試合を進めるなか、リードを奪うことに成功しました。ただ、その後はいまの日本代表が抱える「決めきれない」という課題が露呈し、崩すことができず逆にスキを与えてしまいました。

相手の立場になって考えると、日本代表の攻撃はあまり恐さがありません。中央の守備を固めてバイタルエリアでボールを回させ、サイドにパスを出させる。そして、ゴール前でクロスを跳ね返すことを繰り返していればある程度の危機を回避できます。こうした守備組織を崩すためにはボランチの攻撃参加、多少強引なミドルシュート、精度の高いクロスやラストパスが必要ですが、現状はシュートを打てるタイミングでもきれいにパスをつなごうとすることが多く、そのぶんミスが生まれたり、相手に対応する時間を与えたりしています。各選手にもっと思い切ったプレイ、迫力あるプレイ、ゴールにこだわったプレイをしてほしいです。

現役時代の私は右サイドバックだったので、同ポジションの選手のプレイはやはり気になります。UAE戦、タイ戦では酒井宏樹が務め、タイ戦では先制点を演出するなど積極的な攻撃参加と良質なクロスで勝利に貢献しました。ただ、もっと強気に、自分自身でシュートまでもっていく姿勢があっていいと思います。タテに突破してクロスという選択肢だけでは、相手が守りやすいです。

柏レイソルでプレイするころの酒井宏はニアへのアーリークロスがストロングポイントでしたが、これは一番守りにくいボールです。一方で、中央へ切れ込んでのシュートもありました。いまはチームプレイを考えることで、自らプレイを制限してしまっているのかもしれません。正直、日本代表のなかで本来持っている特徴が発揮されているとは思えません。大きな期待をしているぶん、そう見えるのかもしれませんが……。

同サイドでプレイする本田圭佑が中央へ絞ることが多いので、もう少し早く攻撃参加してもいい。そして、ゴール前の選手と息を合わせてアーリークロスを入れる、あるいはタテへ突破してクロスを折り返す。または、中央へ切れ込んで自らシュートを放つ。そうした思い切ったプレイが必要ですが、なぜできないのか? 原因は守備にあります。

以前から指摘しているのですが、吉田麻也、森重真人との連係が十分ではなく、相手を見失ってスキを与えることがあります。守備に不安があるため、攻撃のときに思い切ったプレイができず中途半端になっています。UAE戦では攻撃の能力に秀でた大島僚太がボランチに起用されたことで、サイドバックは守備を考えるとリスクを冒した攻撃参加をしにくい状況でした。一方で、タイ戦では山口蛍が攻守のバランスを取ってくれるので、積極的に上がることができました。

いずれにせよ、中途半端なプレイが一番良くありません。サイドバックが大胆に攻撃参加すれば、まわりの選手のカバーリングも明白になります。行くのか、行かないのかどっちつかずだと、ポジションのスライドやマークの受け渡しがうまくいかず、相手を見失ってしまうことがあるのです。

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最終更新:9/27(火) 16:30

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