ここから本文です

不透明さと不可解さが混在したグリッド降格裁定。スーパーフォーミュラの分かりづらい現状

オートスポーツweb 9/27(火) 15:27配信

 スーパーフォーミュラ第6戦SUGOは関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の圧巻の走りで、SF史上に残る好レースとなったが、実はその前日、予選で起きたピットロードの接触のハプニングを巡って、その後のJAFの裁定とJRPの対応に不透明な部分があり、メディアや関係者への説明不足による不明確な状況が生まれた。

【写真】スーパーフォーミュラ第6戦SUGOで起きたピットロードでの接触事故

 第6戦SUGOの予選Q1で小林可夢偉が中嶋一貴、そして山本尚貴とピットロードで接触し、一貴は1グリッド降格、山本は5グリッド降格のペナルティを受けることになった。両方とも同じ形での接触になるが、なぜペナルティの度合いが異なるのか。JRP側からの説明はなく、JRP派遣のレースディレクターへの取材を申し込んだがICレコーダーでの取材を拒否され、結果的に真相は分からずじまいだった。

「接触による破損の度合いでペナルティの大きさが変わったのではないか」と、現場の関係者からの声が聞こえたが、その後の取材で、一貴はQ1セッション開始前の段階での接触だったため、ペナルティの度合いが山本より軽い裁定になったことが分かった。それはそれで筋が通った裁定と言えるが、いずれにしても下された裁定に対して、その理由を説明することができないのはどうしてなのだろうか。

 また、ペナルティの度合いの問題とは別に、裁定のタイミングの問題も同時に起きている。予選Q1でペナルティがあった場合、Q2セッションに残るドライバーは繰り上がりなどで変更が加えられるのがF1でも常識であるが、今回はそのまま予選セッションが進められ、すべての予選セッション終わってからペナルティの裁定が下された。

 その進行によって、本来Q2に繰り上がることができるドライバーはQ2出走のチャンスを失い、リアルタイムで見ていたファンにとっては、せっかくのノックアウト予選の緊迫感を阻害される形となってしまった。

 Q1でペナルティの可能性があった場合、Q2セッションの開始を遅らせる選択はできなかったのか。プロ野球ではコリジョンルールが知られているが、ビデオ判定のために進行を一時止めて、疑義の検証を行う時間があってもよかったのではないだろうか。

 また、ピットロードの接触ということに関しては、実は前回の第5戦岡山大会でも予選の際に接触が起きていた。ただ、この時は両者お咎めなしのノーペナルティ。前回の岡山と今回のSUGOでペナルティの有無が異なるのは、どのような判断によるものなのか、我々メディアにはその真相を知る由もない。

 現在のスーパーフォーミュラの統一規則では、判定を下す権限はレースディレクターではなく競技長にあり、レースディレクターの義務(役務)は「大会期間中のレース運営や判定に関する項目について、シリーズを通した独自の判断に基づく提言を競技長に行ない、大会における競技運営および判定基準の平準化を図るものとする」(2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則の第11条1.)と規定されている。岡山大会とSUGO大会でどのように平準化されたのかのガイドラインは、残念ながら不透明なままだ。

 今回の裁定とは話が異なるが、実はレインタイヤがソフトとミディアムの2種類存在していることや、今回のSUGO戦ではワンメイク・パーツであるはずのブレーキパッドが実は3種類選択可能であったことなど、メディアへのアナウンスがないため、今のスーパーフォーミュラは現地で取材していても、せっかくのその魅力や正確な状況をファンに報道しづらい現状がある。

 スーパーフォーミュラのSF14マシン、そしてトヨタ、ホンダが開発を進める2リッター直4直噴ターボのエンジン/NRE(ニッポン・レース・エンジン)はそのパフォーマンスだけでなく品質的にも評判が高く、ハード面では世界に誇るトップフォーミュラ・パッケージとして知られつつある。

そして今季は来季F1マクラーレン・ホンダのレギュラードライバーに決定しているストフェル・バンドーンが参戦し、ドライバーレベル、そしてチームのレベルの高さも世界的に評判が広まり、興味を示す声が多くなっている。また、SUGO戦でも地元の小学校で講演を行い、その小学生をサーキットに招待するなど地道なプロモーション活動が成果を挙げつつある中、肝心のレース運営に関しても世界に誇るスーパーフォーミュラとして、チーム関係者、ファン、メディアの理解が得られるような開かれた存在であってほしいと願うばかりだ。

[オートスポーツweb ]

最終更新:10/28(金) 17:08

オートスポーツweb

なぜ今? 首相主導の働き方改革