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ジャパンディスプレイどうなる? 500億円融資要請の一方で政府は売却意向?

THE PAGE 9/29(木) 10:00配信

 日の丸液晶メーカーであるジャパンディスプレイ(JDI)の周辺がにわかに騒がしくなってきました。同社は政府系ファンドが出資する事実上の国営企業ですが、世耕経済産業相が場合によっては株の売却もあり得ると発言。その後、同社が銀行団に500億円の融資を要請したとの報道も出ています。同社の経営は大丈夫なのでしょうか。

 世耕経産相は21日、米紙とのインタビューにおいて、米アップル1社に大きく依存する同社のビジネスモデルを問題視し、「高付加価値の事業を打ち出せなければ、政府としてはJDIの外国企業との連携や売却もあり得る」との考えを示しました。

 同社は、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合し2012年2月に設立された企業です。政府系ファンドの産業革新機構がほとんどの資金を提供しており、同社は事実上の国営企業といってよい存在です。同社はiPhoneの売上拡大に合わせて業績も拡大し、発足から約2年で上場にこぎ着けましたが、上場に際しては、かなりの異論がありました。売上げの半分をアップル1社に依存する同社のビジネスモデルに対しては市場から疑問視する声が上がっており、会社側の業績予想には懐疑的な投資家が多かったからです。

 政府は2014年3月に上場を断行しましたが、市場で付いた初値は公募価格を15%も下回り、しかも、上場からわずか1カ月後に、いきなり業績の下方修正を発表。さらに半年後には2回目の下方修正を発表するという前代未聞の状況となってしまいました。

 その後、iPhoneの売上げが鈍化すると同社の業績は急降下し、2期連続で赤字を垂れ流す事態になっています。確かに世耕氏の主張は正論といえますが、こうした状況は以前から分かっていたことであり、それでも上場を進めたのは当の政府です(上場時の経産相は世耕氏ではありません)。その結果、3600億円の時価総額が失われ、政府のお墨付きがあるという喧伝を信じて株を購入した投資家は大きな損失を被りました。

 2016年6月時点における同社の自己資本比率は39.2%と比較的高く、とりあえず636億円のキャッシュを保有しています。当面の資金を手当てできれば、すぐに同社が危機的な状況に陥るというわけではありません。しかし、最大の問題は、同社が今後、どのように経営していくのかという青写真が出来ていないことです。

 今回の一件は同社だけの問題にとどまるものではありません。競争力が低下した企業を政府が税金を使って支援するということの是非について、もっと幅広く議論する必要があるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:9/29(木) 11:11

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