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選手兼コーチ 沙保里に「鬼軍曹指令」

東スポWeb 9/28(水) 10:07配信

 日本レスリング協会の理事会が26日、都内で開かれ、2020年東京五輪に向けた日本代表の新体制が正式決定した。リオデジャネイロ五輪レスリング女子53キロ級銀メダリストの吉田沙保里(33)が選手兼任の女子コーチとして初入閣。自らの体を張って若手の指導に乗り出す中、性格が優しい吉田に協会の栄和人強化本部長(56)から“鬼軍曹変身”指令が出た。

 2020年東京五輪全階級で金メダルを目指す日本女子代表に、心強い参謀が誕生した。五輪3連覇を含めた世界大会16連覇の霊長類最強の女が、選手兼コーチとして日本トップ選手の強化に携わることになった。全女子選手の憧れの存在が指導する効果は計り知れない。栄強化本部長は「吉田には、駆け引きなしで自分の技術もすべてライバルに教えてほしい。そのなかで競うなら競っていってほしい」と希望した。

 吉田をよく知る栄本部長がもうひとつ望むのが、指導者としての姿勢だ。「吉田には後輩にも厳しく指導に臨んでもらいたい。そこはもう徹底的にやらないと」と鬼コーチになることを望んでいる。吉田は性格が優しく、そもそも人を「叱る」「怒る」ということが苦手。かねて母・幸代さんも「子供の指導は怒れないからできない」と明かしていたほどだ。

 これまでも後輩をビシバシと鍛えながら引っ張っていくタイプではなく、優しく後押ししてきた。しかし日本のトップ集団を教えるとなれば、時には厳しい口調で指摘することも必要になる。文字通り、心を鬼にして、後輩の指導に当たってほしいというわけだ。

 東京五輪を目指す吉田にとっては格好の練習環境でもある。「憧れの吉田選手に教えてもらえるなら、若い選手はどんどんスパーリングを申し込んでいくでしょう。吉田選手も受けてくれると思いますよ」(日本レスリング協会・福田富昭会長)。選手なら自分のスパーリング以外の時間は休憩に充てる。しかしコーチになれば「お願いします!」との申し出が殺到し、休む間もなく練習することになり、自らの強化にもつながるわけだ。コーチ兼選手の始動は11月の強化合宿になる見込み。鬼になって、日本女子のレベルをさらにアップさせる。

最終更新:9/28(水) 10:07

東スポWeb