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【インタビュー】寺嶋由芙、ファーストAL遂に発表「グループと同じくらいの濃さを」

BARKS 9/30(金) 12:43配信

寺嶋由芙が、9月21日にファーストアルバム『わたしになる』をリリースした。2013年に講談社主催「ミスiD 2014」において一般投票で1位を獲得したという実績も持つ“ゆっふぃー”は、その歌声は心地よく、かわいく可憐で、笑顔が似合う、誰もが認める“ザ・アイドル”。さらには、ゆるキャラ好きを公言し様々なゆるキャラたちとコラボレーションも展開しており、「アイドル」と「ゆるキャラ」を繋ぐ「ゆるドル」になるべく活動中というユニークな路線をゆく。今回BARKSでは、そんな彼女のこれまでの歩みと待望のアルバムについて、そして独自のゆるキャラ論まで、ライター杉江優花女史が幅広く訊いた。

◆寺嶋由芙 画像

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■ わからないながらも言われたからにはやらねば!

──1stアルバム『わたしになる』は、多彩な楽曲たちに由芙さんの真っ直ぐな歌声が映える作品ですね。幼いころから、やはり歌が好きだったのでしょうか。

寺嶋由芙:幼いころのビデオが残っているんですけど、歌ったり踊ったりすることは昔から好きだったみたいで。モーニング娘。の安倍なつみさんを観て“アイドルになりたい!”と思ったんです。

──たくさんいるメンバーの中でも、安倍さんに惹かれたのは?

寺嶋:ひたすらかわいくて、センターにいるべくしている人だなというところですね。

──由芙さん自身、何かとセンターに立つタイプだったりして?

寺嶋:いえいえ、お遊戯会なんかでは、その他大勢のフラミンゴの役をやっていました(笑)。ちなみに、90年代当時は、地元の千葉だけなのかエアロビクスが流行っていて(笑)、習っていたんですよ。それがダンスっぽいことをやった最初です。気づいたらジャズダンスの教室にシフトしていたんですけど、やるほどに楽しくなって。その後、高校生になるまでダンスを続けました。

──歌に関しては?

寺嶋:小学校高学年から中学生になるまで、なぜかヴォイストレーニングに通っていたことがあります。養成所に入って頑張りなさい!っていう感じではなくて、好きなんだったらトレーニングしてみたら?っていうような感じで、親に勧められて。ただ、小学5年生のときにモーニング娘。のキッズオーディションがあって、こんなにアイドルが好き、なっちが好きなんだから絶対に受かる!と思って受けに行ったら、受からなくて。そこでアイドルってそうそうなれるものじゃないんだ!っていう衝撃を受けましたね。いきなり挫折したんです。

──小5にして。でも、そこでもういいやとならなかったから、今があるわけですよね。

寺嶋:もういいやとなれずに、ちょっとずつオーディションを受けてみたりして、気づけば大学生になっていたんですけど……二十歳になって受けられるアイドルのオーディションってほとんどないので、じゃあ自分でやるかと。ライヴハウスを紹介してくれる人と知り合って、その人に曲も書いてもらって、地下アイドルを始めたんです。

──何しろ行動力がありますね。

寺嶋:やっぱり、二十歳になるっていうことが自分の中では大きくて。これが最後のチャンスかなと思ったら、もうやるしかないかなと思ったんです。地下アイドル活動を始めたもののあまりにも手作りだったので、またいろいろオーディションを受けて以前所属していたグループに加入したんですけど、脱退してからはまた一からのスタートでした。そのあと、たまたま今のディレクターさんと知り合って、すぐに「2か月後のライヴに出てもらうから。曲も今から作るから」って言われて、今から3年前にまたソロとして再スタートできることになったんです。そして、そのときのディレクターさんとずっと一緒に、今回のアルバムまでなんとか辿り着いた感じです。

──グループへの加入というのも大きな転機だったと思いますし、今につながるディレクターさんとの出会いにしても、引き寄せ運があるんでしょうね。

寺嶋:タイミングにはすごく恵まれていると思います。グループに加入できたのも、もう自分はアイドルグループに入れないと思ったからソロで活動を始めたのに、事務所全体のオーディションを受けたら、欠員補充で入ることになって。そこから1年ちょっとでたくさんの“ヲタク”にも会えたし、応援してくださる方が増えたところで、あらためてソロ活動を始めることができました。今回の事務所移籍に合わせてメーカー移籍ができたことにしても、アルバムを加茂(啓太郎)さんにプロデュースしていただけたことにしても、本当にありがたいことだなと思いますから。

──加茂さんといえば、ウルフルズや氣志團、フジファブリック、ナンバーガールを発掘したことで知られる方で、アイドルを手掛けられる印象はないんですが……。

寺嶋:そうですそうです、アイドルは私が初めてみたいです。私がグループに所属していたとき握手会に来てくださって、「業界人っぽいけど誰なのかな?」って思ったのが最初の出会いでした(笑)。その後、ソロを始めるタイミングでたまたま紹介してもらってお会いしたら、「アイドルをやってみたいなと思っていたので一緒にやってみましょう」って言っていただいて、なんというか拾ってもらいましたね。振り返ってみると、全部良いタイミングで出会えてこれたんだろうなぁと思います。

──その上で、『わたしになる』は初のアルバムになるわけで、きっと格別の想いをもって制作に臨んだのではないかなと思うわけです。

寺嶋:作家陣の方々、スタッフの気持ちも込みで、私がきちんと届けねばっていう責任感をもって制作に臨んだし、そういう気持ちで今もリリースイベントをまわっています。いろいろな方の支えでやっとアルバムを出せるという感動が、すごくあります。

──しかも、古き良き時代を彷彿とさせる王道のアイドルソングから琴線震わせるバラード、エキセントリックなアッパーチューンまで実に多彩な作品で、楽しい驚きがあるなと。アイドル好きはもちろん、音楽好きにも広く深く刺さる作品ではないでしょうか。

寺嶋:ありがとうございます! 前のシングルがこうだったから次はこうとか、これまでにない色を次のシングルでは出そうとか、新曲ではこんなチャレンジをしようとか、その都度、作家さんやディレクターさんから提案いただいたり、自分から提案させていただいたりして。曲それぞれ、どう表現するかを勉強しながら作れたと思います。

──これまでいろいろな音楽を聴いてきて、その蓄積が役に立っていたりとかも?

寺嶋:「ふへへへへへへへ大作戦」なんかはサウンド的に昭和の王道アイドルを意識しているんですけど、両親が好きだった懐メロをよく聴いていたから掴みやすかったです。イベントで共演させていただくアイドルさんの曲もいろいろ聴くんですよ。今ってかわいい系からロック系までいろいろなタイプのアイドルさんがいて、グループだったらその中でのそれぞれの役割があるじゃないですか。ひとりだとそれを全部の役割を担わなくてはいけないんだろうなというところで、曲としても活動内容としても、グループと同じくらいの多彩さや濃さを見せたいという想いはあります。昔のアイドルってソロが当たり前だったから、キャラも立っているし、かわいいし、歌も上手いし。そこを目指していかないと、このグループ全盛の時代にやっていけないんだろうなって。

──その覚悟があるから、冒頭で言った通り、どんな曲でも雰囲気だけではなくてちゃんと真っ直ぐに、メロディを大事に歌うんですね。

寺嶋:いえいえ、技術不足だなと思うことはよくあります。ひとりということもあるし、ライヴ1本終えた後なんかには「もう少し歌が上手かったらなぁ」ってヘコんだりとか(苦笑)。ただ、レコーディングのときには、rionosちゃん(アルバム『わたしになる』では「ふへへへへへへへ大作戦」「カンパニュラの憂鬱」「猫になりたい!」「ゆるキャラ舞踏会」「#ゆーふらいと」の作曲・編曲などを手掛ける)をはじめ、作曲家さんご自身がディレクションしてくださることが多くて。「そこの半音はもうちょっとこういう感じで歌える?」とか、わからないながらも言われたからにはやらねば!と思ってやってみるんですよ。

■ エゴサーチすると否定的な意見も目にしますけど、めげずにやっています(笑)

──やはり、由芙さん自身の引き出しにいろいろと入っているから求められるし、応えられるということですし……そういう経験を重ねれば重ねるほどに、どんどん成長しちゃいますね。

寺嶋:今回のアルバムには、「101回目のファーストキス」という自分としては新境地とも言えるバラードが入っているんですけど、ディレクターさんやずっとお世話になっているライターさんに「すごく歌が良くなったね」と言ってもらえた曲です。作詞・作曲してくださった真部(脩一)さんには「歌っているんじゃない感じで歌って、でもしゃべっている感じではなくて」と言われてだいぶ混乱したものの(笑)、自分なりに模索していくのが楽しくもありました。作家さんごとに引き出してくれるものが違って、「オブラート・オブ・ラブ」だったらとことんはっちゃけた感じで歌えました。

──「101回目のファーストキス」と同じ人が歌っているとは思えないような、ブっ飛んだ曲ですもんね(笑)。

寺嶋:ですよね。言葉数が多いので、どこで息をすればいいんだろうと思いつつ(笑)。そうやっていろいろな曲に挑むことで少しでも成長できているならそれはすごく嬉しいことだし、これからもそうありたいなと思います。

──とことん真面目で意欲的。挑戦心が尽きないんですねぇ。

寺嶋:私、ツイッターでエゴサーチなんかをすると、もちろん良い意見ばかりじゃなく否定的な意見も目にしますけど、そこで哀しくなっちゃったりはあまりなく、めげずにやっています(笑)。

──昔から、打たれ強かったりしたんでしょうか。

寺嶋:……そうかもしれないです。あと、もともと自己評価が高くて悪口を言われたら落ち込むと思うんですけど、私の場合は自己評価が高くないから、悪口を言われたら「ですよね」って思ってしまうというか(笑)。

──言うほうからすると悪口を言う甲斐がないし(笑)、悪口を言われて「どうせ私なんて」と卑屈にもならないっていう。

寺嶋:元からできる子じゃないから、じゃあ頑張らないとなと思うので。

──人としても、なんて真っ直ぐ。きっと温かいご家庭で育ったのではないですか?

寺嶋:どうなんでしょう(笑)。でも、アイドルをやりたいと言ったときも、グループをやめるときも、またソロでやりたいって言ったときも、否定しないし、いつでも私の意志を尊重して、応援してくれるので。あと、母親もゆるキャラ好きなんですよ。一緒に現場に行ったりとか、同じオタクとして活動していたりもします(笑)。

──それは驚き!(笑) ちなみに、由芙さんはゆるキャラのどこに惹かれるんでしょう。

寺嶋:ゆるきゃらは、私にとって神様なんですよ。日本古来の八百万の神様は、ゆるキャラ文化につながっていると私は思っていて……。

──目からウロコの考察!

寺嶋:大学の卒論も、それをテーマに書いて。物に魂が宿り、山や木に神様が宿ると信じてきた日本だからこそ、ゆるきゃらが各地に根付いたんじゃないかっていう思想が自分の中にあるから、ゆるキャラが地元の方々の愛情を受けてすくすく育っていくのを見ると、ときめくんです(笑)。

──中でも、一番思い入れが深いキャラは?

寺嶋:たくさんいらっしゃるので難しいんですけど……千葉県成田市の名物・うなぎと成田空港=飛行機が合体したうなりくんかな。ねむきゅん(でんぱ組.incの夢眠ねむ)もうなりくんが好きで、うなりくんをモチーフに「#ゆーふらいと」の歌詞を書いてくれて、ミュージックビデオではうなりくんと一緒に撮っていますし。お世話になりっぱなしなうなりくんのこと、ずっと応援しています。

──そして、これから共に大きく羽ばたこうと。

寺嶋:飛行機だけに、そうですね。なんてお上手(笑)。あと、5thシングル「いやはや ふぃ~りんぐ」は“寺嶋由芙 with ゆるっふぃ~ず”名義で、うなりくんはじめ大好きなゆるきゃら10体とコラボしました。

──ゆるキャラ愛が止まらない(笑)。その「いやはや ふぃ~りんぐ」は由芙さん自身が作詞をされていますが、“やりよるな まったくもう”とか、なかなか普通の若い女の子が使わないようなフレーズがあって。

寺嶋:“古き良き時代からきました”というキャッチフレーズだったりもするので、ダサカワイイ感じにしたいなと思いました(笑)。

──“るんたった”といった語感も不思議カワイイ。作詞も楽しいですか。

寺嶋:楽しいですね。もともと、文章を書くのが好きで。ブログなんかとは違って歌詞の場合は音にはめなきゃいけないわけですけど、それがまた面白いなって。

──となると作詞の面でも今後に期待しちゃいますが、この先、由芙さんとしてはどんな夢を抱いているんでしょう。

寺嶋:ゆるキャラ好きということもあってか、だんだん親子連れや女の子も握手会やライヴに来てくれるようになってきたんですけど、“古き良きアイドル”っていう男の子が好きそうなわかりやすい女の子像だけではなく、いろいろな表情を見せていきたいなと思ってます。幅広い年代の方に知ってもらって、歌を聴いてもらうために、チャンスをいただけるならいろいろな場所や媒体に出ていきたいなと思っています。私のことを知ってもらったら私が好きなゆるキャラのことも知ってもらえるし、逆にゆるキャラが好きな人にはアイドルのことを知ってもらえるし。そうしたら、文化交流も起こるじゃないですか。

──由芙さんが橋渡し役となって。

寺嶋:そうなればいいなって。自分が好きなものを、同じように好きと言ってくれる仲間を増やしたいんです。中高生のとき、アイドルやゆるキャラが好きだと言っても全然周りには共感してくれる人がいなかったんですけど、アイドルになってモー娘。が好き、ゆるキャラが好きって言ってみたら、“俺もだよ”“私もだよ”って共感してくれる人にたくさん出会えて、今、すごく楽しいので。歌はもちろん、好きなものもどんどん発信して、広げていきたいです!


取材・文=杉江優花

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ファーストアルバム『わたしになる』
2016年9月21日発売
<初回限定盤>
TECI-1515 ¥2,778+税
[CD]
全14曲収録
[DVD]
MUSIC VIDEO 3曲(「わたしになる」「いやはや ふぃ~りんぐ」「ふへへへへへへへ大作戦」)+ライブダイジェスト映像(「わたしになる」「ゆるキャラ舞踏会」「ぜんぜん」)収録

<通常盤>
TECI-1516 ¥1,852+税
[CD]
全14曲収録(初回限定盤と同じ)

CD収録曲
1.わたしになる
作詞:加藤千恵 作曲:宮野弦士 編曲:宮野弦士

2.ふへへへへへへへ大作戦
作詞:大森靖子 作曲:rionos 編曲:rionos

3.好きがはじまる(re-vocal version)
作詞:ミナミトモヤ 作曲:ミナミトモヤ 編曲:ミナミトモヤ

4.カンパニュラの憂鬱
作詞:ジェーン・スー 作曲:rionos 編曲:rionos

5.オブラート・オブ・ラブ
作詞:夢眠ねむ 作曲:ミナミトモヤ 編曲:ミナミトモヤ

6.猫になりたい!
作詞:ジェーン・スー 作曲:rionos 編曲:rionos

7.いやはや ふぃ~りんぐ
作詞:寺嶋由芙 作曲:鶴崎輝一 編曲:鶴崎輝一

8.ゆるキャラ舞踏会
作詞:みうらじゅん 作曲:rionos 編曲:rionos

9.初恋のシルエット(strings version)
作詞:延本彩音 作曲:倉品翔 編曲:GOOD BYE APRIL & rionos

10.101回目のファーストキス
作詞:真部脩一 作曲:真部脩一 編曲:rionos

11.ぜんぜん
作詞:ヤマモトショウ 作曲:ヤマモトショウ 編曲:rionos

12.まだまだ
作詞:ヤマモトショウ 作曲:ヤマモトショウ 編曲:rionos

13.好きがこぼれる
作詞:ミナミトモヤ 作曲:ミナミトモヤ 編曲:ミナミトモヤ

14.#ゆーふらいと(re-load version)
作詞:夢眠ねむ 作曲:rionos 編曲:rionos

最終更新:9/30(金) 12:43

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