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『君の名は。』でも…聖地巡礼トラブルはなくならないのか

dmenu映画 9/28(水) 7:30配信

興行収入62億円を超える爆発的ヒットとなっている映画『君の名は。』。『シン・ゴジラ』を超える社会現象ともなっている同作ですが、いわゆる“聖地巡礼”によるトラブルが増加しているという負の話題も取り沙汰されるようになってしまいました。ファンの行為によって作品の名が汚されるのは、非常に残念なことです。

『君の名は。』聖地巡礼で多数の苦情が

9月9日、『君の名は。』の作品公式サイトに「『君の名は。』関連場所訪問(聖地巡礼)についてのお願い」と題し以下のような文章が掲示されました。

「拝啓 平素より格別のご愛顧をいただき、厚く御礼申し上げます。
さて、『君の名は。』公開後、本編中に登場する、または関連のある場所へ、多くのファンの皆様にお越しいただいておりますが、近隣の方々より騒音や早朝深夜の訪問に関する苦情を多数いただきました。関連場所への訪問を予定されている皆様におかれましては、節度のある行動、及びマナーに十分心掛けていただきますようお願い申し上げます」

巡礼ブームのきっかけは『らき☆すた』

アニメや漫画などの作品に関連して、熱心なファンが物語の舞台やモデルとなった実在の場所、ゆかりのある建造物などを実際に訪れることを、宗教行為になぞらえて“聖地巡礼”と呼びます。ここ数年で聖地巡礼という言葉はすっかり定着した感がありますが、きっかけとなったのは2007に大ヒットしたテレビアニメ『らき☆すた』。作中に登場する鷹宮神社のモデルとなった、埼玉県の鷲宮神社を多くのファンが聖地として巡礼し話題となりました。2007年に7万人だった初詣客も、2008年に30万人、2009年42万人、2010年45万人と激増。神社のほうでもアニメとコラボするなど、町をあげての盛り上がりは以降の聖地巡礼のモデルケースになったといえます。実際、知名度アップと大きな経済効果が見込めることから、聖地巡礼を歓迎する自治体は多く、町おこしの一貫として自らアピールする自治体もあるほどです。

過去にはこんなトラブルも

しかし、多くの人が訪れるようになればトラブルも発生します。騒音やゴミの問題は言うに及ばず、観光地ではない場所が聖地だった場合には経緯を知らない近隣住民が「撮影する人がやたら増えた」と不安に思うことも多いようです。『君の名は。』でも問題になりましたが、過去にはこんな作品でトラブルがありました。

【涼宮ハルヒシリーズ】
アニメ化され大人気となった「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズでは、モデルとなった実在の高校を巡礼した一部ファンが、校内に不法侵入し写真撮影を行うという暴挙に出ました。当時、同校はホームページで「最近、校内に入り込み、写真撮影等を行っている人たちがおられるようです。敷地外から写真を撮られたりするのはいっこうにかまいませんが、部外者が無断で敷地内に入ることは、犯罪になります。今後このようなことがあれば、警察への通報等、厳しい対応を考えていますので、よろしくお願いします」と警告しています。

【ガールズ&パンツァー】
茨城県久慈郡大子町にある旧上岡小学校は、NHKドラマ「花子とアン」「おひさま」など数多くの作品に使われ多くの観光客が訪れる場所。同校が萌え系アニメ『ガールズ&パンツァー劇場版』の舞台にもなったのですが、そこを訪れ「男性による女装コスプレ」「パンチラ撮影」といった迷惑行為に及ぶファンが出現。アニメを知らない観光客や近隣住民からの苦情が寄せられ、コスプレとその撮影が禁止されるという事態となりました。

また、具体的なトラブルは報告されていませんが、ファンが多い作品ではこんな掲示も見られます。

【ラブライブ!サンシャイン!!】
メディアミックスプロジェクト「ラブライブ!」の最新アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台は、静岡県沼津市の海辺の町。活発に聖地巡礼が行われている作品で、実際に経済効果も大きいようですが、公式サイト上で「『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台である静岡県沼津市や内浦を訪問される方々へのお願いです。現地を訪問される際は、学校、お店、また近隣住民の皆様へのご迷惑とならないよう、ご注意下さい。特に、学校や私有地への立ち入りや、学校の生徒、地元住民の方々を無断で撮影することは法的にもトラブルとなる可能性があります。なお、現地でトラブルが発生した場合でも、プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!は一切の責任を追いかねます」と注意喚起しています。

ファンの姿も見られている

いずれにしても、自分以外の人のことも考慮しながら行動しなくてはいけないのは当然のことであり、聖地巡礼云々以前に、他人の迷惑を顧みない行為は恥ずかしい行為です。

本来、聖地巡礼は現地の人にとってもメリットが大きいはずのもの。それが、一部の人とはいえトラブルによって悪い印象となってしまったら本当にもったいないですよね。地元の人とにこやかに挨拶しろとまでは言いませんが、自分の言動が作品の評価にも繋がるという自覚をもてば、ファンならおのずと恥ずかしい振る舞いはできなくなるはずです。作品への敬意だけでなく、その舞台となった場所への敬意も忘れずに。マナーを守って楽しい聖地巡礼にしましょう!

文/大木信景@HEW

最終更新:9/28(水) 7:30

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