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シリア難民救うには 難民キャンプを取材するフォトジャーナリスト 安田菜津紀さんに聞く

高校生新聞オンライン 9/28(水) 11:00配信

 2011年、シリアで現アサド政権に対する反政府デモが起こり、内戦が始まった。終結への出口が見えない中、国外へ逃れて難民となったシリアの人々は、16年8月時点で480万人を超えている。内戦前からシリアに通い、現在は難民キャンプの取材を続けているフォトジャーナリスト、安田菜津紀さんにシリア難民の現状を聞いた。(平野さゆみ)

日中40度超え 扇風機も使えず

──シリア難民の現状を教えてください。
 私が取材を続けているのは、シリアの隣国ヨルダンの北部にある「ザータリ難民キャンプ」です。現在、約8万人のシリア難民がテントやプレハブで暮らしています。ここは砂地で、夏の日中は気温が40度を超え、夜になると20度くらい下がる、寒暖差の激しい所です。
 キャンプ開設から4年がたち、インフラ整備も進んできましたが、電気がつくのは夕方の数時間。暑くても日中は扇風機が使えません。水が出るタンクを探して何百メートルも歩かねばならず、共同トイレにはドアもない。国連から支給されるクーポンを食料と引き換えるのですが、手に入るのは最低限の量の乾いたパンばかり。強風で巻き上がる砂ぼこりを吸い込み、子どもの肺疾患が深刻化しています。
 劣悪な生活環境に耐えかね、キャンプを出る人も少なくありません。実際は、キャンプではなく都市部に逃れて暮らしているシリア難民のほうが圧倒的に多いのです。

報道が減り支援も減り

──都市部の人はどのように暮らしているのですか。
 もともとシリア難民はヨルダン内で働くことを禁じられていたものの、不法就労をする人が少なくありませんでした。経済的な事情もありますが、いつとも分からない自国に帰れる日を、何もせず待つだけの生活なんて続けられないですよね。
 ただ、内戦が長期化し、さすがにヨルダン政府も一部の難民の就労を認めるようになりました。それを受けて、ヨルダン人が「シリア人に仕事を奪われる」と危機感を募らせ、あつれきが生じています。「ここには安全はあるけれど、安心はない」。そんな言葉を、シリア難民の人々は頻繁に口にします。

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最終更新:9/28(水) 11:00

高校生新聞オンライン