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記録的な日照不足、長雨続く 病害多発 産地は悲鳴 東北南部~中四国

日本農業新聞 9/29(木) 7:00配信

 東北南部から中国、四国にかけて記録的な日照不足と長雨が続き、農作物に深刻な影響が出始めた。9月中旬以降の日照時間が平年の半分以下の地域が相次ぎ、野菜の生育不良や病害、水稲の収穫遅れ、果実の裂果などが発生。10月上旬まで日照不足は続く見通しで、農作物の品質低下と収量の減少が避けられない状況。産地は対応に追われている。

野菜 生育不良、腐れで出荷減

 夏秋取り高原野菜の一大産地、長野県南佐久地域では、レタス類やハクサイの葉が光合成できずに生理障害を起こし、長雨による葉や根の腐敗が多発している。「多様な病害が発生して本当に深刻だ」とJA関係者は話す。

 今後、天候不順の影響を受けた作物が収穫期を迎えるため、出荷減は避けられない見通し。「産地を挙げて出荷量の確保に努めているが、20、30%減るのではないか」(同)と不安げだ。

 露地野菜の栽培が盛んな千葉県のJA山武郡市管内でも、特産のネギやニンジンに病害が発生、生育不良が起きている。「出荷量が2、3割減る恐れがある。これ以上、雨が降らなければいいが」(営農振興課)と気をもむ。

米・飼料稲 収穫遅れ 胴割れも

 水田が雨でぬかるみ、稲刈りが遅れている地域もある。滋賀県のJA関係者によると、例年は9月上旬には収穫するが、今年は28日になってもまだ刈り取れていない田があるという。「米に胴割れが発生し、茶色くなって品質に影響が出ている」と漏らす。

 22ヘクタールで米や飼料稲を栽培する島根県出雲市の(有)グリーンワークは、日照不足と長雨で、作業が進まない。代表の鎌田英男さん(55)は「飼料稲の刈り取りができず、商品になるかどうか分からない」と途方に暮れる。

ミカン 質が向上

 一方で、恵みの雨となった産地もある。ミカン産地のJA広島ゆたか管内だ。8月まで干ばつが続いていただけに、日照時間が平年の半分、雨量は2倍という状況が1カ月続いても「雨続きで酸抜け、肥大が進み、糖酸バランスが抜群」とJA広島果実連の糸曽尋人技師は話す。極早生の出荷を控え「申し分ない仕上がりになった」と自信をのぞかせる。

今後10日間 気を抜かずに 秋雨前線が停滞

 なぜ、不順な天候が続いているのか。気象庁によると、日本の南海上で太平洋高気圧の勢力が平年より強く、その縁に沿って南から湿った空気が流れ込み、前線が停滞しやすい状況となっていることが要因。「偏西風が日本の東で北に大きく蛇行し、日本付近に暖かい空気が流れ込みやすかった」(気候情報課)ことも影響した。

 日照不足は今後10日間ほど続き、降水量も今後1週間は北陸から九州で平年より多くなる見込みで、産地は当面、気の抜けない状況となりそうだ。(尾原浩子、隅内曜子、福井達之)

日本農業新聞

最終更新:9/30(金) 20:41

日本農業新聞