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進藤・新日鉄住金社長、原料炭スポット価格急騰で「製品への転嫁不可避」

鉄鋼新聞 9/29(木) 6:00配信

 日本鉄鋼連盟の進藤孝生会長(新日鉄住金社長)は28日の定例会見で、原料炭のスポット価格が高騰していることについて、日本の高炉メーカーの10月以降の購入価格が大幅に上昇するのは避けられないとの見通しを示した上で、「(原料高を)鋼材価格に転嫁していかないと事業活動が継続できない」と強調。今後、鋼材価格を値上げせざるを得ないとの考え方を示した。

 値上げ方針については新日鉄住金の営業政策として述べた。
 原料炭の急騰については、中国の炭鉱の操業規制、オーストラリアの一部炭鉱のトラブルなどで、インドや欧州の高炉メーカーがパニック買いに走ったことが引き金になったとし、こうした現象が落ち着いてくればパニック状態は沈静化するとの見方を示した。ただ、10~12月積み価格が大幅に上昇する見通しのため、「(原料高などについて)ユーザーにきちんと説明しなくてはならない」と述べ、製品価格の引き上げが不可避との考えを示した。
 宝鋼集団、武漢鋼鉄の中国の国有大手2社の統合に関しては、「集中度が高まることで中国鉄鋼業の構造調整がより明確になる」と歓迎の意向を示した。ただ「真の経営統合によって設備集約などを進めることが重要」と指摘した。
 中国鉄鋼業の構造調整問題は先週、経済界合同訪中団と中国政府高官との意見交換でも大きなテーマになった。進藤会長は今年4月のOECD(経済協力開発機構)鉄鋼ハイレベル会合以降の一連の動きについて「この6カ月間で大きな進展を遂げた。時間はかかるが、ゆっくりしていられる問題ではない。日本政府と連携を取りながらさまざまな場で議論していきたい」と述べ、能力過剰問題を政府間で話し合う「グローバル・フォーラム」の進展など、過剰解消に向けて前進することへの期待感を示した。
 下期の鋼材の需要動向に関しては、「足元はやや弱含みの感があるが、雇用統計などプラスの指標もある。五輪関連需要もそろそろ出てこないと間に合わない」などと述べ、一定程度回復するとの見方を示した。

最終更新:9/29(木) 6:00

鉄鋼新聞