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院生殺害、裁判員裁判29日判決 殺害の嘱託の有無争点、福井地裁

福井新聞ONLINE 9/29(木) 8:34配信

 福井県勝山市で昨年3月、赤トンボ研究の教え子だった東邦大(千葉県)の大学院生菅原みわさん=当時(25)=を絞殺したとして、殺人の罪に問われた元福井大大学院特命准教授の無職前園泰徳被告(44)=同市=の裁判員裁判の判決公判が29日午後4時から福井地裁で開かれる。殺害の嘱託(依頼)の有無が争点だが、前園被告の供述以外に証拠はなく、裁判員の判断が注目される。

 審理は21日に結審した。検察側は懲役13年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めている。

 公判では菅原さんに事件当時、自殺願望があったかなどの精神状況が焦点となった。検察側は、菅原さんが自殺をほのめかす言動をしたのは「被告の関心を引くため」で自殺願望はなかったとした。実際に自殺未遂する前に同被告にのみ連絡していることなどを根拠に挙げた。

 事件直前、菅原さんが同被告に送った無料通信アプリLINEのメッセージなどから「攻撃的な心理状態だっただけで、本当に死にたいとは思っていなかった」と主張。不倫関係に端を発した「男女間のもつれの末に殺した身勝手な犯行」と結論付けた。

 一方、弁護側は「菅原さんに何度も殺害を求められ、被告は追い込まれ受け入れてしまった」と嘱託殺人罪を主張。菅原さんは2014年4月、大学職員から受けたセクハラ被害をきっかけに精神的状態が悪化。セクハラを巡るストレスなどで自殺未遂を起こしているとし、検察側が主張した「気を引く行為」を否定した。

 大学院休学後、復学に向けて支えていた大学職員2人が、菅原さんの担当を外れたことで追い込まれたと指摘。「卒業、就職できず尊敬する被告の研究が続けられないと悲観し、死を考えるようになった」とした。

 自殺ではなく、殺害嘱託だったのは「被告であれば、ためらうことなく死ぬことができると考えたのではないか」と主張。前園被告については、心理的に視野が狭くなる状況に陥り嘱託を受け入れてしまったとした。

福井新聞社

最終更新:9/29(木) 8:34

福井新聞ONLINE