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東芝、復活への頼みの綱「半導体メモリー」はこのまま業績をけん引するか

ニュースイッチ 9/29(木) 7:44配信

4―9月期の利益上方修正。先端技術でサムスンを追う

 東芝は2016年4―9月期連結決算(米国会計基準)予想の営業利益を前回公表比400億円増の700億円に上方修正した。売上高も同800億円増の2兆5500億円に引き上げた。主力のNAND型フラッシュメモリーが中国製スマートフォンの大容量化を背景に売価を維持できているという。

 同社は不正会計問題に端を発した構造改革を経て、2016年度を成長に向けた第一歩と位置づける。成長戦略の中核を担うのは半導体事業。主役となるのが、3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーだ。

 7月には四日市工場(三重県四日市市)の3D専用の新製造棟が完成し、本格量産を始めた。「NANDメモリーが成長のドライバーだ」。綱川智社長の期待は高い。

 NANDの18年度までの設備投資額は、計8600億円。NANDにおける3D製品の生産比率を17年度に50%まで引き上げるほか、量産を始める48層品に加え、17年に64層品の量産も視野に入れる。17年度は新たな製造棟の着工も予定。集中投資で一気呵成(かせい)に競争優位性を高める。

 一方、先行する韓国サムスン電子は14年に量産を開始。市場で現状9割以上のシェアを握る。メモリーの最大の武器となるコスト競争力でも、一段優位な立場だ。しかし東芝で半導体事業を統括する成毛康雄副社長は「遅れは半年程度ではないか」と、追い上げに自信をみせる。

 その根拠の一つが、積み上げてきた生産技術力。「どうすれば歩留まりが上がるのかがつかめてきている」(成毛副社長)。15年からは人工知能(AI)技術を四日市工場に導入し、ビッグデータを活用した歩留まり改善を実施。一定の成果が見えてきた。調査会社IHSテクノロジーの南川明主席アナリストは「大規模工場では世界でもほぼ初めての取り組み。うまくいけば立ち上げ期間を相当短縮できる」と評価する。

 ただ最大の懸念が資金問題だ。サムスンが増産投資を仕掛ける状況で競争するには、東芝にも継続的な設備投資が必要となる。市場は当面安定しているとの見方が強いが、変動性の高さが常の半導体ビジネスでは、機動的に資金投入していく必要がある。成毛副社長も「毎年決まった額を投資すればいいのであれば問題ないが、そうではない」と難しさを明かす。

 しかし不正会計問題とそれに伴う構造改革で、財務基盤は弱体化。タイミングをとらえた投資ができなければ、成長シナリオは崩れてしまう。外部から資金調達する分社化は一つの可能性だが「手元資金はまだ残っており、今のところは自力でやれる」(成毛副社長)。懸念を払拭(ふっしょく)するにはまずは3D構造NANDを軌道に乗せて、稼ぐ力を高めることが不可欠となる。

 3D構造NAND市場のけん引役は、中国スマホとデータセンター(DC)だ。IHSテクノロジーの南川明主席アナリストは「大容量化ニーズが高く、特にDC用サーバー向けが急激に立ち上がっている」と説明。来年以降も安定成長が見込まれる。また「現状はサムスンしか供給者がおらず、製品の不足感は強い」(南川主席アナリスト)。価格下落のリスクも低いとみる。

 3D構造NANDは現在、サムスン、東芝、韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーを中心とした4陣営が主要プレーヤーだ。そこに加え数兆円規模の予算で半導体の内製化を政策として進める中国勢が、投資を強化している。

 ただ先行するサムスン、その次を追う東芝以外は「自力での技術のキャッチアップは難しいのではないか」(同)。今後は合従連衡が活発になりそうな一方で、過剰投資による価格下落も将来のリスクとして懸念される。

最終更新:9/29(木) 7:44

ニュースイッチ

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