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秋は缶コーヒーの需要期。新商品出そろうが冬を越せるのわずか

ニュースイッチ 9/29(木) 7:55配信

今年のキーワードはボトル缶に女性に低カロリー

 飲料大手各社が秋冬の需要期に向け、缶コーヒーの強化に動いている。日本コカ・コーラは「ジョージア」のザ・プレミアムやヨーロピアンを刷新、サントリー食品インターナショナルは「プレミアムボス」のボトル缶でラテ新商品を発売した。キリンビバレッジは商品名を伏せ、発売前に100万本を無料配布する新戦略で戦いに臨む。伊藤園やアサヒ飲料も缶コーヒーに力を注ぐ。缶コーヒーは炭酸飲料、茶飲料と並ぶ重要市場。各社とも力が入る。

 缶コーヒー市場は、コンビニエンスストアが店頭で展開する淹(い)れ立てコーヒーの普及にもかかわらず好調だ。“コンビニコーヒー”に危機感を覚えた各社が、新商品に力を入れたことで市場が活性化している。今夏の猛暑による需要増効果もある。ただ、容量185グラムのショート缶はコンビニコーヒーの影響を受け、需要が減少しているとの声が多い。このため各社はブランド力強化とともに、成長が見込めるボトル缶市場で商品を増やす動きが活発になっている。

 最大手の日本コカはジョージアの「ザ・プレミアム」をショート缶、ボトル缶ともに刷新し、8月29日に発売した。香気成分を2割増やし、焙煎(ばいせん)し立ての香りを再現したほか、生クリーム使用量も2倍にアップ。「ヨーロピアン」も香るブラックと熟練ブレンドで、パッケージを刷新。香りやコクを強調した。商品はいずれもボトル缶だ。

 ボトル缶強化で先行する伊藤園は「タリーズコーヒー バリスタズブラック」シリーズを8月29日発売したほか、10月3日に「タリーズコーヒー」ブランドも刷新する。カフェチェーン子会社が展開する「タリーズ」は女性客に人気が高い。缶コーヒーでも同じ味わいを再現し、ブランドの強みを生かす。

 ボトル缶はサントリー食品も力を入れる。柳井慎一郎執行役員は「缶コーヒーユーザーが男性だけでなく女性に広がるにつれて、会社の机に置いて再栓で繰り返し飲めるボトル缶の構成比率が高まっている」と指摘する。

 健康志向の取り込みを狙うのはアサヒ飲料。カロリーが低い「ワンダ 金の微糖」を発売したほか、糖類ゼロの「ワンダエクストラショット」を刷新するなど健康志向を鮮明にした。ワンダシリーズは会社で働く父親を応援するCMにより、缶コーヒーユーザー主力の中高年男性に「よりアピールできるようになった」と、岸上克彦アサヒ飲料社長は手応えを感じている。引き続き、中高年男性の需要を取り込む。

 キリンビバレッジは新商品発売前に100万本の無料サンプリングを行うなど、販売促進の手法で差別化する。同社の堀口英樹社長は「消費者は缶コーヒーの味はどこも同じで、違いは『CMによる世界観の違い』を挙げる向きが多い」と指摘する。製法の違いや希少豆使用を強調しても、各社が同じように改良に励む以上差別化には限界があり、思い切った新しい販促法が必要と見る。それぞれの主張や思惑がどう功を奏するか。結果は年末ごろ明らかになる。

最終更新:9/29(木) 7:55

ニュースイッチ