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MRJ米国到着!どんな試験をするのか

ニュースイッチ 9/29(木) 16:38配信

高高度での離着陸や寒冷地試験

 三菱航空機(愛知県豊山町)が開発する国産小型ジェット旅客機「MRJ」は28日(現地時間)、米ワシントン州のグラント郡国際空港に到着した。秋から米国での試験飛行を始める。2018年半ばに設定する全日本空輸(ANA)への初号機納入に向けて、MRJ開発の最前線は、日本から米国に移る。

 同社が米国での試験拠点とするグラント郡国際空港(ワシントン州モーゼスレイク)は5本の滑走路を備え、晴天率9割と気象条件に恵まれる。日本国内での飛行は1機あたり1日1回が基本だが、「モーゼスレイクなら1日最大3回は飛ばせる」(岸信夫副社長)。同社は試験機を4機持ち込むため、物理的には1日最大12回の飛行が可能。高高度での離着陸試験や寒冷地試験が可能な場所も、全米に点在する。

 米国での試験開始に備え、協力会社の米エアロテック(ワシントン州)などを通じ、現地で新たに300人規模の人材を採用。親会社の三菱重工業で長年、航空機部門を引っ張った巽重文氏(元執行役員)、石川彰彦氏(元執行役員フェロー)の2人を4月1日付で三菱航空機副社長に受け入れ、マネジメント体制も強化した。巽氏は米ワシントン州シアトルの設計拠点に、石川氏はグラント郡国際空港に派遣する。日本の本社と合わせた3拠点体制で総力を挙げて開発を推進する。

 順調なら1年間で試験飛行が完了すると見通し。トラブル発生について三菱航空機の森本浩通社長は「試験の結果によっては、機体を改修しないといけない場合がある。そうなった場合の影響が読めない。日本に機体を持ち帰って改修するのは時間の損失なので、現地で改修できる体制を整える」と話す。また改修については「ハードウエア部分は問題ないだろう。必要なのはソフトウエア部分だ。バグの解消やソフトのバージョンアップが考えられる」としている。

 日本国内でもMRJの開発が進展するのに伴い、量産や整備拠点の検討が同時並行で進んでいる。「MRJの“M”はみんなのM」と過去に三菱航空機幹部が言っていた時期もある。”みんな“の期待を乗せたMRJは、米国という新天地で上昇気流をつかもうとしている。

最終更新:9/29(木) 16:38

ニュースイッチ