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完全養殖のスマ、世界初出荷

紀伊民報 9/29(木) 17:00配信

 和歌山県水産試験場(串本町)などは29日、「幻の高級魚」と呼ばれる「スマ」(サバ科)の完全養殖に成功し、出荷サイズまで育てたと発表した。10月1、2日に大阪市北区の百貨店「阪急うめだ本店」で50匹を販売する予定。世界初出荷になるという。県は「まだ課題はあるが、産業化に向けた第一歩」と話している。

 「ヤイト」「ヤイトガツオ」の通称もある小型のマグロ類。身はピンク色で「全身トロ」といわれるほどの美味だが、一方で漁獲が少なく、市場には出回らないという。有望な新しい養殖対象魚の開発が求められてきた中、試験場と東京海洋大学、串本町の養殖業者「丸東」でつくる研究グループが2012年度から研究してきた。

 完全養殖は人工ふ化から育てた親魚の卵を人工ふ化させ、200~300匹が出荷サイズの1・5~2キロに成長した。試験場によると、いけす内での共食いが多く、餌を工夫するなど対策に苦労したという。

 スマの養殖は、県内で主流のマダイ用のいけすを活用できることから、初期投資が少なくて済む。しかし、養殖技術としてはまだ研究段階で、コスト面や生産効率に課題がある。県研究推進室は「今回の成果は、天然資源に頼らなくても計画的に生産できる技術確立の第一歩。ただ、産業的にはまだ課題がある。解決に向けて研究を進めていきたい」としている。

最終更新:9/29(木) 17:00

紀伊民報