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分散型台帳は金融市場を混乱させる?欧州中央銀行が警告

ZUU online 9/30(金) 6:40配信

「分散型台帳の乱用が金融構造にダメージを与える可能性がある」との見解を、欧州中央銀行(ECB)のシニアエクゼクティブ、イヴ・メルシュ氏が示した。

分散型台帳が金融業務の効率化に役立つ可能性を認める一方で、採用の初期段階にある事実を指摘し、「機能面、運営面、ガバナンス面、規制面などを注意深く観察する必要がある」と、広範囲にわたる導入には時間をかけるべきだと主張している。

■複数の分散型台帳技術が混乱を招くとの懸念

9月26日から29日まで、SWIFT(国際銀行間通信協会)の主催によってジュネーブで開催中の国際金融イベント「SIBOS2016」に出席したメルシュ氏は、「 ECBは分散型台帳の導入に関心はあるが、マーケットインフラに採用するには時期尚早だ」と、新技術に対する警戒心をあらわにした。

特に加熱するプライベートセクターでの分散型台帳導入に懸念を示しており、「複数の異なる種類の分散型台帳が入り乱れることで分断が生じ、金融市場統合が混乱する恐れがある」としている。

時間をかけて慎重に新技術を浸透させ、単一ユーロ決済圏(SEPA)の向上に円滑に役立てるという点では、2006年に導入プロジェクトの開始が発表された新たな欧州決済システム「T2S(即時グロス決済システム)」の方が、ECBにとっては優先事項のようだ。

T2Sは1999年、ユーロ圏の通貨統合の際に導入されたユーロ建大口資金決済システム「TARGET」の延長線上にあり、単一共有プラットフォームを構築することで集中管理型へと移行させた資金決済システムである。

メルシュ氏はT2Tが手順を追って段階的に導入されている証明として、9月下旬には採用プロセスの観察期間を設けていることなども述べた。

また分散型台帳の利点である即時決済が、T2Tでも難なく可能な点を主張。T2Tではユーロ圏の自動決済センターを通してこれらのプロセスが行われる。

T2Tのユーロ圏市場への本格的な普及は、2017年第1四半期を予定しているそうだ。ECBによる独自の決済システム構成が進むEU圏では、分散型台帳の需要が伸び悩むかも知れない。(FinTech online編集部)

最終更新:9/30(金) 6:40

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