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【ミャンマー】小口金融規制緩和を業界歓迎 資金調達容易に、経営規制強化も

NNA 9/30(金) 8:30配信

 ミャンマー当局が先に発表したマイクロファイナンス(小口金融)機関に対する規制緩和を、国内のマイクロファイナンス業界は歓迎している。当局は業界の要望に応える形で、資金調達の自由度を高め、調達コストを引き下げられるよう規制を緩和した。ただ同時に、経営管理システム導入など経営の質を高める規制も導入。資金力に劣る中小の機関は今後、淘汰(とうた)される可能性がある。融資先である低所得者層の一部では多重債務問題も発生しているとされ、借り手の保護も課題として残る。
 マイクロファイナンス監視委員会が8月29日、業界団体ミャンマー・マイクロファイナンス協会(MMFA)の要望書に応じる形で、規制緩和の通達を出した。資金調達についての規制を大幅に緩和。大手を中心とするマイクロファイナンス機関から歓迎の声があがっている。
 外資のマイクロファイナンス機関は外国の金融機関から、地場の機関は国内金融機関からしか資金借り入れができないとしていた規定を撤廃し、今後は内外資の機関とも、国内外からの資金調達を認める。資本金に対する借入金の上限も、従来の1対2から、1対5に緩和。「実質的に青天井で借り入れができるようになった」(業界関係者)。
 融資先から融資額の5%の強制預金、さらに最大5%の任意預金として預金を引き受ける規定については、任意預金上限を撤廃。預金金利は従来、強制部分、任意部分とも最低年率15%だったが、任意部分を最低10%へと引き下げた。「預金金利は、マイクロファイナンス機関の借り入れ金利のベンチマークにもなっており、10%への引き下げで資金調達コストも下がることになる」(同)。融資総額の過半を農村部向けとし、都市部向けの貸し付けが50%を超えてはならないとする規定も撤廃された。
 一方、マイクロファイナンス機関には今後、経営体制の強化が求められる。マイクロファイナンス免許は従来から、預金受け入れが可能な上位免許と、貸し付けのみの下位免許の2種があったが、大半の機関は上位免許を取得できた。今後は2年間の猶予期間を設けた上で、上位免許の対象を振るいにかける。最低資本金規定の引き上げをはじめ、3年の事業実績と2年間の黒字、経営情報システムの導入といった要件をクリアできない場合、下位免許に格下げする。
 業界関係者は、「MMFA内部では、発言力の強い外資大手機関を中心に、業界に追い風だと歓迎ムードが広がっている。ただ経営体制の強化規制により、経営基盤の弱い中小の機関は淘汰される可能性がある」と語った。
 多重債務者への対応も課題として残る。今回の規制変更の中で当局は「顧客保護の原則」をうたい、顧客の過剰負債を防ぎ、各機関による責任あるサービス提供を目指すとしているが、具体策には踏み込んでいない。
 大都市近郊などでは複数のマイクロファイナンス機関が同じ人に貸し付ける例も多いとされ、不良債権化するケースもあるとされる。「原因はマイクロファイナンス機関側の貸し付け競争があるほか、1機関当たりの貸し付け額が借り入れ側の需要を満たせず、複数機関から借りざるを得ない事情もある」(業界関係者)。不良債権比率などのデータは公になっておらず、実体が見えにくいのも実情だ。

最終更新:9/30(金) 8:30

NNA