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豊通エレとトーメンエレ統合新会社――圧倒的な車向けシェアと技術でメガ商社に挑む

EE Times Japan 9/30(金) 10:05配信

■新社名はネクスティ エレクトロニクス

 2017年4月1日付で経営統合する豊通エレクトロニクス(以下、豊通エレ)とトーメンエレクトロニクス(以下、トーメンエレ)の2社と、両社の親会社である豊田通商は2016年9月29日、都内で統合に関する記者説明会を開催し、統合新会社の社名を「ネクスティ エレクトロニクス」にすることなどを明らかにした。

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 両社は、豊田通商の完全子会社であり、売上高約1兆円(2015年度実績)を超える豊田通商エレクトロニクス部門の中核会社だ。共に、半導体、電子部品、組み込みソフトウェアを中心に扱うエレクトロニクス商社で、2015年度実績売上高は、豊通エレが約2400億円(豊田通商海外子会社デバイス部門売り上げ含む)、トーメンエレが2200億円となっている。

 これまで、豊通エレは車載向け専門の商社として、トーメンエレは車載以外にも民生機器、産業機器などの幅広い用途向けにビジネスを展開する商社として、事業を行ってきた。

 今回、経営統合を決めた理由の1つとして、豊田通商専務取締役で化学品・エレクトロニクス本部長を務める松平惣一郎氏は「(仕入れ先である)半導体メーカーのM&Aが活発に行われ、メーカーが巨大化している。それに伴い半導体商社も苦しい立場に置かれつつあり、事業規模が小さかったり、機能が少なかったりする商社は、淘汰(とうた)されることになる」と事業規模拡大を挙げる。

■「国内最大」「世界4位」「自動車向け圧倒的な世界首位」

 統合新会社の売り上げ規模は4600億円に達し、現在、エレクトロニクス商社で最大の売り上げ規模を誇るマクニカ・富士エレホールディングスを上回り、国内業界トップとなる見込み。また、世界市場においても、Avnet、Arrow、WPGに次ぐ、4位グループに相当する規模に達する見込みだ。

 また新会社の自動車向け売上高については、3000億円となる見込みで、豊田通商では「2位以下に圧倒的な差をつけた世界1位」になるという。新会社の社長に就任する豊通エレ社長の青木厚氏は、「この圧倒的な自動車向けビジネス規模になることで得られる商社としての機能強化が、統合で見込んでいる大きな相乗効果の1つだ」とした。

 新会社は、売り上げの約65%を自動車向けで占めることになるが、「(自動車の)次の柱を育てていく」(青木氏)と明言し、自動車以外の用途市場向け事業の強化も図っていく方針だ。

 新会社発足後の売り上げ目標などは「現在、策定中」(青木氏)として明らかにしなかったが、「自動運転や電気自動車化の流れがあり、それなりの規模感で成長するだろう」とした。

■国内商社業界の再編主導は“否定”

 世界のエレクトロニクス商社業界は再編が進み、Avnet、Arrow、WPGといった売り上げ規模1兆円超のメガディストリビューターによる寡占化が進んでいる。そうした中で、国内に限っては、売り上げ規模1000億~2000億円前後のエレクトロニクス商社十数社が競う市場となっている。ただ、こうした国内エレクトロニクス業界も、半導体メーカーの再編も手伝い、海外市場同様の再編が起こるとされている。青木氏は「国内半導体商社間での合併はさらに起こる」と示唆したが、「メガディストリビューターのように買収で品ぞろえを強化すれば、細かなサービスが提供できなくなる。これまで(統合両社は)1つ1つ(の商材を)手の内に入れて細かなサービスを提供してきた。新会社も1つ1つ伸ばしていく」とし、業界再編を主導する考えがないことを示した。

 新会社がM&Aを行わずに事業拡大を狙うには、これまでの日系顧客に加え、メガディストリビューターと対抗しながら外資系顧客の取り込みが必須となる。青木氏は「これから、一層、海外での日系顧客へのサポートを強化し、海外売上高を高めていく。その中で、海外現地で顧客を獲得するための“武器になる技術”を開発し、その“武器になる技術”で海外顧客を獲得するシナリオ」とし、海外でも技術/サポート力を生かした事業成長を図る方針を語った。

■東京、名古屋の2本社制に

 なお、この日、公表した新会社名「ネクスティ エレクトロニクス」(英文表記:NEXTY Electronics)について青木氏は「“Next”と“T”を合せた“ネクスト・ティ”から命名した。“T”は、豊通エレ、トーメンエレの頭文字であるとともに、知識、経験、人材が結び付く“Tie”、さらには“Technology”の意味を込めた」とした。

 新会社ネクスティ エレクトロニクスは、親会社の豊田通商と同様、東京本社と名古屋本社の2本社制を採用。2017年4月に、従業員数約2000人、国内11拠点、海外34拠点体制で発足する予定だ。

最終更新:9/30(金) 10:05

EE Times Japan

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