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「白化」究明へ一歩 サンゴ遺伝子の解析成功 OISTが世界初

沖縄タイムス 9/30(金) 9:15配信

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は30日までに、サンゴの遺伝子機能を世界で初めて解析したと発表した。サンゴの口を作るのに必要な遺伝子を特定した。遺伝子は「ブラキュリー」と呼ばれ、ほ乳類などの脊椎動物では骨や筋肉の基になる細胞「中胚葉」を作るのに必要な遺伝子だ。OISTや識者は、サンゴの遺伝子解析が進むことで将来的に白化現象などの原因解明の研究にもつながることを期待している。

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 OISTの安岡有理研究員、新里宙也研究員、佐藤矩行教授が実験。コユビミドリイシサンゴの受精卵に細いガラス針で遺伝子「ブラキュリー」の働きを阻害する物質を注入した結果、通常だと4日から1週間で発生するサンゴの口ができなかった。

 OISTによるとミドリイシサンゴ類の受精卵は海水に浮きやすく、顕微鏡で固定して作業することはこれまで困難だったという。今回の研究では、ガラス板に海水の表面張力を利用して卵を貼り付ける手法を独自に開発した。

 サンゴの口とは、サンゴやイソギンチャクなど刺胞動物の持つ袋状の消化管の出入り口のことを指す。出入り口は口と肛門の両方の役割を持ち、サンゴの幼生(子ども)は口からプランクトンなどの栄養を取り込み、成長する。

 サンゴ礁の保全管理に取り組む日本サンゴ礁学会サンゴ礁保全委員会の中野義勝委員長は「今回の実験結果はまだサンゴの基礎研究の部分だが、サンゴの解明に向けて一歩前進したことは喜ばしい」と話した。

 研究成果は米科学誌カレント・バイオロジーに日本時間30日、掲載される。

最終更新:11/10(木) 18:45

沖縄タイムス