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等伯四男の作品初公開、県七尾美術館 長谷川派の画風伝える

北國新聞社 9/30(金) 2:49配信

 七尾生まれの画聖、長谷川等伯(とうはく)(1539~1610年)の四男で、江戸時代前期に絵師として活躍した長谷川左近(さこん)(等重(とうじゅう)、1593~?)の「十六羅漢図(じゅうろくらかんず)屏(びょう)風(ぶ)」が10月1日、七尾市の石川県七尾美術館で始まる展覧会で初公開される。県内の所有者が同美術館に寄託したもので、京都・智積院(ちしゃくいん)にある等伯晩年の十六羅漢図の画風と共通点が多く、長谷川派を受け継いだ四男の手による貴重な作品といえる。

 初公開の十六羅漢図屏風は、水墨を基調とし、所々に淡い彩色を施している。1面に一人の羅漢と竜や虎が描かれ、元は16面が存在していたとみられるが、現在は2面だけが残る。

 鋭く割ったような岩や、曲線を強調した着物、上を向いた鼻の独特な表情は、等伯が築いた「長谷川派」の様式で、県七尾美術館学芸員の的場久良主幹は「等伯の後継者として画風を引き継いだことが分かる面白い作品だ」と評価する。

 等伯には26歳で急逝した長男久蔵(きゅうぞう)のほか、等伯死去の翌年に亡くなった次男宗宅(そうたく)、三男宗也(そうや)、そして左近と、4人の息子がいた。等伯が室町時代の偉大な水墨画家の後継者として「雪舟五代」と名乗ったことから、左近は「雪舟六代」を掲げた。

 左近の作品は滋賀県や金沢、佐渡島などにあり、広いエリアで活躍していた可能性がある。金沢市長坂町の曹洞(そうとう)宗大乘寺にも左近の十六羅漢図(県指定重要文化財)があるが、県七尾美術館で初公開される十六羅漢図は、より等伯の画風に近く、等伯亡き後の長谷川派の流れを考察するためにも重要な作品といえる。

北國新聞社

最終更新:9/30(金) 2:49

北國新聞社