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【インタビュー】大貫妙子、ソロデビュー40周年は「区切りではなくてわたしには通過点」

cinemacafe.net 10/1(土) 8:00配信

日本のポップミュージック・シーンにおける女性シンガー&ソングライターの草分け的な存在のひとり、大貫妙子がソロデビュー40周年記念プロジェクトをスタートさせている。その独自の美意識に根差した繊細な音楽世界と飾らない透明な歌声で多くの人を魅了する一方で、CMや映画音楽関連も多く、あの映画『Shall we ダンス?』メインテーマや、竹中直人監督の『東京日和』の音楽プロデュースなど数多くのオリジナルサウンドトラックも手がけ、その活動は日本の音楽シーンで多岐に渡っている。今回、ソロデビュー40周年プロジェクトの第1弾としてアニバーサリーボックスを発売、第2弾として初のシンフォニックコンサートを12月に開催するなど、精力的に活動を展開する大貫妙子に単独インタビュー。これまでのソロデビュー40年について、そして今後の展望について、本人に聞いた。

【画像】ソロデビュー40周年を迎えた大貫妙子


――「パラレルワールド」の制作にあたっては、どういう想いで取り組まれたのでしょうか?

「ピュア・アコースティック」というアルバムを80年代に出しまして、当時アナログでレコーディングをしましたが、CDでしか発売されていませんでした。LPがまた復活している今の時期にLPで復刻盤を出しませんか、というお話をいただきまして。そのお話を進めているうちにアイディアが膨らみ、こういうボックスになりました。40周年ということもあって、過去に4回やらせていただいた、メトロポリタン美術館を含む「みんなのうた」シリーズ。それに連なる絵本「金のまきば」、また「ピュア・アコースティック」を制作した当時、NHKで1時間の音楽番組をやらせていただいた、その80年代の映像も入れましょうと。現在の心境を語ったインタビューや、私が選ぶ私のBESTなど、いろいろなものが膨らんで、こういうアニバーサリーBOXになりました。

――ソロ活動の集大成という意味合いもありますね?

集大成と言うには、もっと入れないと全然足りないですが(笑)、わたしの場合は、ポップスというカテゴリーがあって、その中でアコースティックな音楽、物を書くこと、旅の話、そういったいろいろな要素がそれぞれひとつの世界として存在しつつ、トータルで自分の世界になっています。今回のボックスは、その中でも大人も読むようなファンタジー・ノベルみたいな意味合いも含めて収めてみました。現実の世の中で、そんな意味合いを持つものがあってもよいかな、と思いましたし、このような企画だからできたこと、だと思います。

――それで「パラレルワールド」というタイトルになっているのでしょうか?

BOXに入っている「金のまきば」という絵本は復刻ですが、「みんなのうた」の映像を制作している時に、絵本として膨らませることができるのではないかと思い作ったものです。その時期たまたま「ナルニア国物語」を読んでいて。衣装ダンスの中に入っていくと、そこに別世界が!という物語。パラレルワールドは、わたしたちが生きている世界と平行してまったく同じ世界が存在しているということですが。まったく同じに見えて、もうひとつの世界では、なくしたものが存在している。実際にその扉を見つけることができるかどうかわかりませんが、わたしたちは進むべき方向を失っても、チャンスはあるということです。音楽を聴く時に、過去の自分に戻る時がありますが、音楽はファンタジーであると同時にパラレルワールドへ誘ってくれるツールでもあると思う。という希望を込めて「パラレルワールド」というタイトルにしたんです。

――ソロデビュー40年周年ですが、ふりかえってみて長かったですか、短かったですか?

あっという間ですよね。あっという間の40年間で、あっという間にお墓に入ってしまうかも(笑)。単純に後40年はできないので、100歳を越えてしまいますから。人生ってけっこう短いなって思いました。バンドを始めた20代の頃は、海のものとも山のものともよべないようなものでしたが(笑)。その後ソロになって、たくさんアルバムを出させていただきました。たいしたヒットもない私が続けられたのは、ひとえに支えてくださったファンのみなさまのおかげだと、心から感謝しています。

――音楽シーンも劇的に変化を遂げて来ましたが、一番印象的な出来事は何でしたか?

LPからCDの時代になり、現在は配信の時代になって、またLPに戻ってみたりしていますが。テクノロジーの変化とともに、音楽も変わってきたと思います。それはとても音楽に影響を与えるものですが、時代とともに受け入れなくてはいけなかったので、当然取り入れてはきました。今の時代は良いか悪いかは別として、譜面が読めなくても楽器が弾けなくても、コンピューターで音楽が作れるようになった。そのおかげで、家で録音が可能になったりと便利にはなりましたが、多くの歴史あるレコーディングスタジオがなくなりました。それは、ほんとにかなしいことだと思います。
音楽には、国境がありませんし、言葉が通じなくても音楽は一緒に作り上げることができます。部屋にこもるのではなく、いろいろな世界のミュージシャンともっともっとジャンルを超えて、楽しく世界を広げてほしいですね。

――初のシンフォニックコンサートが今年12月22日(木)に開催されるそうですが、どういうコンセプトでしょうか?

千住明さんとは30年来のお友だちで、今までも何度かステージでご一緒していますが、今回は初めてふたりでやるんです。もちろんオーケストラと、バンドにも参加していただきますので、とても楽しみにしています。千住さんはポップスからクラシックまで幅広く活動されていて、オーケストラの指揮もなさいますから、今回はそれもお願いしています。今までは呼んでいただいて2~3曲だけの共演だったのが、今回はじっくりご一緒できるので、ふたりでどういう世界を作ることができるかを考えています。コンサートの前に千住さんとCDも作るので、その収録曲もお披露目したいですし、是非、楽しみにしていただければと思います。

――この先の40年は?

ですから、生きていないですよ(笑)。40周年も区切りではなくて、わたしには通過点だと思っています。これから先は、いつまで続けるかわかりませんけれど、いままでどおり。できるところまで(笑)。

最終更新:10/1(土) 8:00

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