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トム・ハンクス「映画が成功することだけを願う」 名優が語る“プロの仕事”

オリコン 10/2(日) 8:00配信

 2009年、“奇跡”と賞賛されたニューヨークのハドソン川で起きた航空機事故の知られざる真実を描く映画『ハドソン川の奇跡』(公開中)に主演する米俳優トム・ハンクス(60)。『フィラデルフィア』(1993年)『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94年)で2年連続アカデミー賞主演男優賞を受賞した名優が本作で演じるのは、乗員乗客155人全員の命を救ったチェスリー・“サリー”・サレンバーガー機長。このほど、副操縦士を演じたアーロン・エッカート(48)と共に来日し、作品や自身の俳優としての仕事について語ってもらった。

【動画】『ハドソン川の奇跡』予告編

 ハンクスとクリント・イーストウッド監督(86)が初タッグを組んだことでも話題の同作。未曾有の航空機事故から乗客全員の命を救い、国民的英雄になったサリー機長だったが、“究極の決断”に思わぬ疑惑が掛けられてしまう。事故を忠実にすることにこだわり、常に映画を通して時代と寄り添ってきたイーストウッド監督ならではの視点で真実に迫る。

 劇中はハンクスが演じたサリー機長、エッカートが演じた副操縦士ジェフ・スカイルズのやり取りも見どころの一つ。機内では見事なコンビネーションで仕事を全うし、事故後の生活では映画に明るさをもたらすやり取りを披露している。

 ハンクスは「(実在の)サリーとジェフは、事故が起きた日の仕事が初めて一緒に組んで、事故の3日前に会ったばかりなんです」と明かし、「そして僕とアーロンも今回が初共演。でも、我々はプロだから特別なことはせずに、サリーとジェフとしてコミュニケーションがとれました」と振り返る。

 エッカートも「2人はコックピットの中で、それぞれ自分のやるべき仕事を当たり前のようにしていたのです。そんな2人を演じることを何かに例えるとデュオ。彼らはデュオとしてダンスをしていたんですよ。お互いに信頼しながらね」と語った。

 新たな作品が公開される度にアカデミー賞受賞を期待される熱演を見せてきたハンクスは、今作でもサリー機長の事故後の苦悩を体現。演技派として注目を集める重圧を聞くと「受賞を期待されているなんて聞いたことないよ。誰が言っているの(笑)?」と陽気に交わし、自身は映画作りに集中するだけと話す。

 「そういうことは自分でもコントロールできないし、自分では映画が成功することだけを願っている。いい映画を作るのはすごく難しい。いい映画でも、皆さんが劇場に足を運んでくれる保障もない。みんなやることがたくさんあるなか、劇場まで観に来てくれるくらい価値のある映画と思ってもらいたい」。

 自身を「特有のテクニックはない」と謙遜するハンクスにとって、俳優としての“プロの哲学”は「与えられた仕事にベストを尽くす」こと。「サリーは自分の能力を信じていた。私も俳優としての自分の能力を信じているけれど、そのためには時間をかけて準備をする必要があって、それでも不安はつきまとう」。

 実話を映画化することへのこだわりも強い。「今回みたいな作品は、特に物事をでっちあげてはいけないと思っている。事実を再現するからには、なるべく真実に基づく必要がある。もし、脚本家がそう思っていないような話を書いたなら、私はやらない。やるからには、何が起きたかを一生懸命調べて、関わった人たちがどうしてそうしたのか忠実に演技するのが私の哲学で、私の責任でもある」と、プロとしての矜持を力説した。

最終更新:10/2(日) 8:00

オリコン

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