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ベンゼンやヒ素が出た豊洲市場は危険なのか 報道から受ける印象と異なる実態

BuzzFeed Japan 10/1(土) 6:00配信

「盛り土がされていない」「土壌汚染対策は十分なのか」と注目が集まる豊洲市場。9月29日には、敷地内の地下水のベンゼンやヒ素の値が「環境基準」をわずかに上回ったという調査結果も発表された。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

メディアの報道には「汚染水」「危険物質」の文字が躍る。豊洲市場は、本当に安全なのか。不安に思う人が多いだろう。

しかし、専門家たちに取材すると、違う側面が見えてくる。

地下水は安全なのか?

今回問題になった「環境基準」は、飲用した場合の影響を考慮して、環境省が定めている値だ。

「そもそも、あの地下水を飲むわけではないし、市場で使うわけでもないのだから、危険か安全かの議論で言えば、安全であると言えます」

環境リスクマネージメントを専門とする横浜国立大名誉教授の浦野紘平さんは、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。

「飲み水ではない地下水から、環境基準以上の数値が出ることは頻繁にある。『排水基準』を満たしていれば、河川などに流しても問題はありません」

「排水基準」とは、工場などの設備から排出された水に求められている基準値だ。環境基準のおよそ10倍がその指標で、これを満たしていれば、その排水は外部に流しても良いことになる。

浦野さんが指摘するように、豊洲市場では地下水を使うことはない。ただ、念には念を入れて、建物下の地下水を環境基準以下に、建物外では排水基準以下にし、処理したうえで将来的に環境基準以下にすることを目指している。

9月29日に、ベンゼンとヒ素の値が環境基準を超えているとわかったのは、建物下の地下水ではなく、屋外の観測井戸から見つかったものだった。

東京都議の音喜多駿議員はこの点について、自身のブログでこう指摘している。

”そもそも専門家会議では、建物下以外の地下水浄化は「環境基準の10倍以下(飲料基準ではなく、排出基準)」を目指すと提言していた”

”環境基準値の10倍以下(排出基準)+地下水管理システム+盛土で、専門家会議は「安全」と結論している”

”そして今回、環境基準値を上回った地点は、建物・地下ピットの下ではなく「盛土」の下、つまり排出基準を目指していた地点である”

つまり、今回、「環境基準」をわずかに上回るベンゼンなどが検出されたことは、もともとの想定と照らし合わせても問題がない、という指摘だ。

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最終更新:10/1(土) 14:35

BuzzFeed Japan

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。