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ナガイモ打撃 つる切れ 生育ストップ 台風上陸1カ月―隠れた被害 青森

日本農業新聞 10/1(土) 7:00配信

 台風10号が東北地方に上陸して30日で1カ月がたった。暴風雨はナガイモの作付面積が日本一の青森県にも深い爪痕を残した。つるが切れ、11月の収穫を前に肥大が止まる被害が多発。農家は収量減を余儀なくされている。2017年度の作付け用の種芋も打撃を受け、被害は長期化する恐れも出てきた。

 青森県東北町でナガイモ5ヘクタールを栽培する吹越肇さん(62)は、地中から掘り起こしたナガイモを見て途方に暮れた。「生育は止まっていると想像していたが、実際見ると、がっくりするなあ」。重さは289グラム。被害のなかったナガイモ(910グラム)の3割程度しか育っていない。11月上旬には収穫を迎えるが、生育は止まったままだ。

 ナガイモは畑に支柱を立ててネットを張り、つるをはわせて作る。吹越さんの畑では台風10号の暴風雨で支柱が倒れた。1週間かけて支柱を立て直したが、20アール以上でつるが切れた。畑には枯死した葉が散乱している。

 「つる切れだけではない。水害で土の中で腐敗している可能性がある。場所によっては10アール当たり1トン近い収量減になるだろう」と心配する。

種芋不足 次作に影響

 地元のJAゆうき青森によると、ナガイモ農家約600人のうち、295人がつる切れや支柱などが倒れた。被害面積は延べ298ヘクタールに上った。

 影響は来年度以降の生産にも及びそうだ。ナガイモは、例年5月ごろにむかごを植えて1年かけて100グラムほどの種芋にする。種芋は出荷用のナガイモよりもつるが細いため、台風でつるが切れる被害が多発。JAは17年度の種芋の注文を、昨年12月で締め切っているため、種芋が不足する恐れがある。出荷用のナガイモを切って使う手もあるが、出荷量減少は避けられない。

 JAは「種芋の畑が全滅した農家がいる。切り芋は腐りやすく病気にもかかりやすい。栽培管理を徹底するしかないが、17年産も収量減が心配だ」(営農指導課)と話す。

64ヘクタール、さらに拡大

 青森県のナガイモの作付面積(15年)は日本一の2250ヘクタール。2位の1880ヘクタールの北海道より多い。台風10号は、栽培が盛んな県南部に打撃を与えた。県によると、倒伏やつる切れ被害は1市4町で64.3ヘクタール(9月26日時点)に上る。被害面積は、野菜の中で最も大きい。

 主力産地の被害は調査中のため、県は「今後、さらに被害は拡大する。地中の作物なので、収穫してみないと状況が把握できない。収量は減る可能性が大きい」(農産園芸課)と見通す。(塩崎恵)

日本農業新聞

最終更新:10/1(土) 7:00

日本農業新聞