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30周年迎える「川崎いのちの電話」、課題は相談員のなり手不足

カナロコ by 神奈川新聞 10/1(土) 20:03配信

 人には言えない悩みを24時間体制で受け止め、自殺防止に貢献してきた「川崎いのちの電話」が12月で創立30周年を迎える。相談員として活動を支えてきたのはボランティアの市民たちだが、近年は高齢化が進み、なり手不足が続く。年間相談件数は1万3千件を超え、昨年からは若者向けにメール相談も始めており、メンバーらは「さまざまな年代の相談員が増えてくれれば」と模索している。

 運営するのは社会福祉法人川崎いのちの電話で、24時間365日、電話相談を受け付けている。在籍している相談員は約200人だが、実際に活動しているのは165人。1日を六つの時間帯に分け、交代で対応している。同法人の事務局長は「電話は3回線あるが、1度に3人で対応するには200人以上が必要で、足りていない。電話を切るとすぐに鳴る状況で、つながりにくくなっている」と現状を明かす。

 対応人数が限られるため、年間相談件数は過去10年でほぼ横ばいだが、相談内容は変化しているという。ベテラン相談員の男性(79)は「家庭内暴力や子育てなど、専門分野の電話相談窓口が増えてきた分、分類できる相談内容の種類は減った」と話す。「最近は日常生活の悩みが多い。PTAの役員が大変だったり、1人暮らしの男性が生活に不安を抱いていたり。結論が欲しいのではなく、誰かとつながっていたいという気持ちを強く感じる」。相談員を始めて1年の女性(66)も「孤独で寂しい、という悩みがとても多い」と口にする。精神的な病に関する相談も増えているという。

 電話離れが進む若者世代の受け皿になるようにと、昨年からメールでの相談対応も始まった。ただ、相談員のほとんどが50~60代。研修に時間がかかることもあり、新しい相談員は年10人ほどしか集まらないが、介護などの事情で同じほどの人数が辞めていく。20年近く続けている女性相談員(68)は「長くやっていると慣れてきて、驚くことも減ってしまう。新しい相談員が相手と一緒に感情を動かしている様子を見ていると、それが大切なんだと気付かされる。そういう意味でも新人がもっと入ってくれれば」と願う。

 事務局長は「今後は平日だけだった研修を土曜にも行う予定。相談員のなり手不足は全国的な課題なので、働く世代も学びやすい環境を考えていかなければ」と話している。相談員の募集案内は11月から開始予定で、問い合わせは、川崎いのちの電話事務局電話044(722)7121。

最終更新:10/1(土) 20:03

カナロコ by 神奈川新聞