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本当なら通報したいけど…転貸禁止の賃貸物件と大家の心境

ZUU online 10/2(日) 6:10配信

日本での民泊が活性化すると、途端に増加したのが「無断転貸」です。本来ならば、家主の許可なく他人にその賃貸物件を転貸することは、特約のない限り民法で禁止されています。しかしこの家主への承諾の無い転貸民泊が減らない原因に、思わぬ背景も見え隠れしてきました。一体どういうことなのか、解説してきましょう。

■禁止しても、なかなか減らない無断転貸の実態

日本の賃貸借契約では、他人への転貸の禁止が一般的です。民法の条文では「特約に定めがあれば、家主の許可を得て可能」となっていますが、許可されるのは難しく、特約が設定されることも稀です。

欧米諸国ではあえて「転貸する場合は…」と転貸可能を前提とした場合の詳細が最初から契約に盛り込まれている国や州もあります。日本と諸外国の賃貸借契約のとらえ方には、かなりの差異があります。お互いの信頼関係のうえに賃貸借が成立するという日本の民法の考え方がよく表れています。

原則転貸禁止の物件で、家主の許可なく民泊経営に利用している賃借人や、さらなる転貸人が増加しています。賃借人本人が他人に宿として利用させていることも、転貸禁止や住居以外での使用に関する事項に触れますし、さらなる又貸しで転貸人が民泊を経営しているという物件でも契約違反は明白です。不動産管理を任される会社の中にはこの状況に必死で対応しているところもあり、通常の管理業務がままならない場合もあります。

■家主の心境は複雑…禁止したいが、出て行かれるのも困る

民泊物件に人気の都市部のマンションエリアでは、その環境から防犯カメラがエレベーターを含めた共用部分に設置されている箇所が多くありますし、管理人による監視でもゴロゴロとスーツケースを持った外国人が頻繁に出入りしているとすぐにわかります。

それなのに、無断転貸による民泊経営が減らないのには、主に2つの要因があります。

1. 管理会社と仲介業者の立場の違い
管理と客付けの双方を家主から依頼されている場合は別ですが、入居者を探すのが仕事の仲介会社と、安全な賃貸経営の管理を任されている管理会社では、全く立場が違います。大家から手数料を受け、毎月管理している会社は、転貸による民泊でトラブルが起こった際に最初に対処を迫られます。また、同じ物件内の他の家主物件の住人からクレームが入ると、なぜ一部の物件だけ転貸民泊が黙認されているのか説明ができなくなってしまうので、必死に監視をしている管理会社が少なくありません。

2. 仲介業者と管理業者の業務内容の違いと大家の心境
契約仲介料として手数料を受け取る仲介業者は、とにかく入居者を見つけることが優先され、後のことは気にかけないという業者もいます。それに加え、空室を抱える家主側にも、せっかく決まった入居者にまた出ていかれたらどうしよう…と複雑な気持ちがあり、黙認しているケースが決して少なくないのです。

この三者三様の思いが、無断転貸民泊が減らない原因を引き起こしているのです。

■今後の対策は?

無断転貸での民泊経営が引き起こす懸念として最も怖いのが、事件・事故が起こった時の補償です。家主も入居者もそれぞれ保険に加入していますが、黙認民泊経営によるものだと、いざというときの損害が補償されません。

近頃では「民泊物件も可能」とする保険もありますが、起こった事実が不法行為に基づくものである場合には、まったく対象となりません。近隣の人とトラブルになった場合に、無断転貸者や家主が損害賠償請求される可能性もあります。

これから物件を探して民泊経営を考えている方は、その物件の管理規制内容や民泊許可にする場合の注意点を、民泊専門会社や購入を検討している不動産会社から納得のいくまで説明を受けるようにしてください。(提供:民泊投資ジャーナル)

最終更新:10/2(日) 6:10

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