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小林麻央が受けたQOL向上のための手術とは

デイリースポーツ 10/2(日) 6:00配信

 乳がん闘病中のフリーアナウンサー・小林麻央(34)が1日、自身のブログで手術を受けていたことを明らかにした。詳しい日時について触れていないが、手術の内容については「私の場合、根治手術ではなく、局所コントロール、QOLのための手術です」と説明した。QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上のために受けた局所コントロールの手術とはどういったものなのか。「松本クリニック」(兵庫県芦屋市)の松本浩彦院長に聞いた。

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 QOLの向上とは、医療の現場では特にがんなどの難病にかかった時に、病気による身体的な直接の痛みだけでなく、精神的な不安やストレスまで含め、残された人生を少しでも穏やかで安らかに過ごすことを目的にした治療をいいます。

 今回、小林さんがどのような「局所的で非根治的な手術」を受けたのか、実は私どもにも想像がつきませんが、一般的に考えられる方法は3つあります。

 まず、腫瘍の中核だけを摘出して、少しでも進行を抑えるという方法ですが、これはいちばん考えにくい方策です。摘出した後の欠損した皮膚をどうやって覆うかという問題が残ります。

 次にがんが転移して、腋の運動を制限するほど大きくなったリンパ節だけいくつか摘出する手術です。そこまで大きくなるとリンパ節は壊死し悪臭を放ちますので、これだけは取っておこうということでしょうが、リンパ節転移はモグラ叩きのように次から次へと進んでいきますから、これもあまりQOLの向上には役立ちません。

 いちばん考えられるのは胸水のコントロールです。おそらく現状では胸水がたまって、呼吸がかなり辛い状態だと思われます。そこでまず胸腔に管(ドレーン)を入れて胸水を抜き、そのあと抗がん剤を注入します。抗がん剤で胸膜にわざと炎症を起こさせ、胸膜の癒着を促すことで、胸水が溜まるのを遅らせることができます。胸水による呼吸困難は今後もっとも予想され、これがいちばん苦痛となるでしょうから、今後、胸水をコントロールし易くしておくための手術、というのであれば納得ができます。

 この他に、皮膚欠損があるような局所進行状態や、痛みをともなうリンパ節転移の場合、その部分を切除して植皮することで、症状軽減や入浴ができるようになるなど、患者さんにとってはありがたい手術も考えられます。

 QOLのための手術は、進行し、転移・再発していくまでの期間を少しでも延ばし、抗がん剤などの補助治療を行いながらがんと共存して、より普通に近い生活を長く続けることが目的です。事態がそこまで逼迫(ひっぱく)しているとも受け取れますが、ここまでつまびらかに状況を公表し続ける麻央さんの勇気に、私は敬意を表したいとすら感じています。

最終更新:10/2(日) 6:52

デイリースポーツ

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