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【シネマ羅針盤】『ジョジョ』実写化の勝算は? TOHO×ワーナーが手を組む理由

cinemacafe.net 10/2(日) 20:15配信

累計売上9,000万部を記録する荒木飛呂彦氏の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の実写映画化が正式発表された。タイトルは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1章』。三池崇史監督がメガホンをとり、原作生誕30周年を迎える2017年夏に公開される予定だ。

【画像】主演を務める山崎賢人

情報解禁直後からネットを中心に大きな盛り上がりを見せる大型企画だが、何より話題を集めているのが東宝株式会社(以下東宝)とワーナーブラザースジャパン合同会社(以下ワーナー)が初タッグを組み、共同製作・配給という形で実写邦画を始動させたこと。東宝といえば『シン・ゴジラ』『君の名は。』の大ヒットでこの夏の映画界を席巻した邦画界の雄。洋画配給の老舗であるワーナーは近年、実写邦画の分野でも存在感を発揮している。

以下、9月28日(水)に都内で行われた企画発表記者会に出席したTBSの平野隆プロデューサー、東宝の市川南取締役、ワーナーの高橋雅美社長兼日本代表、三池監督のコメント抜粋から『ジョジョ』実写化の勝算を見出したい。そもそも大手配給会社である東宝とワーナーがタッグを組む理由は?

「配給力がある東宝さんに配給をお願いし、さらに洋画も邦画も配給するワーナーさんのお手伝いをいただき、共同配給という形をとれないか交渉を重ねた」とふり返る平野氏。これに対し、市川氏は「常にヒット作には新しい試みがある。共同配給と聞いて面白いなと思った。ぜひ2017年ナンバー1ヒット作に育てたい」、高橋氏は「新しい1ページを開き、世界に打って出る作品にしたい」と強い意気込みを示した。

具体的にはTBSと東宝が映画を共同製作し、東宝が劇場営業、ワーナーが宣伝をそれぞれ担当する“役割分担”がなされており、会見で市川氏は「ワーナーさんがこれまで手がけた洋画宣伝のダイナミックな手法を邦画に移植できれば面白い。東宝としてはTOHOシネマズを有する(営業面での)強みがあり、両社が最大限の力を発揮できれば」と語っている。

宣伝展開に関しては、東宝も国内随一の多角的なノウハウを誇るが、それでもワーナーとの配給を含めた提携で、海外展開を進めやすくなるメリットがある。タイトルの“第1章”が示す通り、壮大なスケールを誇る「ジョジョ」第4部すべての映像化が構想されており「第4部を完結させるだけでも、あと数本は必要」(市川氏)。となれば、国内での興行だけでは燃料不足=世界配給が不可欠。また、ワーナーが現在放送中のテレビアニメを製作している点から、実写映画との相乗効果も期待される。

果たして、実写版『ジョジョ』は日本映画界における新たな歴史の幕開けとなりうるか? 当然気になるのは「どんな作品に仕上がるか?」であり、勝算の有無もここが大きなカギになる。近年、人気コミックを実写映画化しても、打率は決して高くないし、さらに“続編ありき”の興行はビッグヒットが生まれにくい状況だ。

最も重要な脚本に関しては「長い年月をかけて企画を開発し、荒木先生ともその都度キャッチボールをし、思いやアドバイスをいただきながら完成に至った」(市川氏)といい、少なくとも原作を尊重した内容になっている様子(現時点で脚本家の名前は明らかにされず)。

一方、大役を担った三池監督は「オファーをいただき3日間眠れなかった」と思わず本音も。それでも「日本映画を一回リセットさせるくらいのビッグタイトル。完成後に『この先、何を撮ればいいのか』と思える作品にしなければいけない」と覚悟を決めた。持ち前のケレン味が「ジョジョ」の世界観にマッチするかは未知数だ。

最終更新:10/2(日) 20:15

cinemacafe.net