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東京圏「住宅地価格」下落率ランキング 神奈川1人負けのワケ

ZUU online 10/2(日) 17:40配信

東京ミッドタウンの隣に立地する地上44階の高層タワーマンション「パークコート赤坂檜町ザ・タワー」の最上階の部屋が15億円で売り出され、都心の不動産にはバブリーな雰囲気が漂う。

また、日銀のマイナス金利導入や住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置などの政策も不動産市況の追い風となるなか、国土交通省がまとめた2016年都道府県地価調査では、住宅用の地価の変動率が、対前年比で全国平均0.8%減と、前年の1.0%減からマイナス幅が縮小した。東京圏に限ると、変動率が前年比0.5%増と底堅い需要を示した。

このような不動産市況においても、価格を下げる地点があるのも現実で、人口過疎化が進む地方の問題だけではなく、東京圏も例外ではない。そこで今回は、同調査に基づいて、東京都圏の住宅地下落ランキングトップ10に焦点を当てる。

■神奈川県の1人負けのワケ

堅調な地価上昇をみせた東京圏の住宅地だが、都県別にみてみるとトレンドに大きな差が現れた。

東京都は変動率が前年比1.6%増、埼玉県が同0.1%増、千葉県が0.1%増とプラスを確保する一方、神奈川県は前年の0.2%増から同0.1%減と4年ぶりにマイナスに転落。

茨城県は前年0.8%減から同0.9%減とマイナス幅が拡大した。好調な住宅の不動産市況が続く東京圏の中でも、2極化が進んでいる。特に神奈川県は、人気エリアの横浜の変動率が前年比0.9%増(前年は1.4%増)、川崎市が同0.9%増(同1.1%)と、前年に比べて伸び率が鈍化したことなどが響いた。具体的な住宅地下落率ワースト10は以下の通り。

■住宅地下落率ワースト10

1位 三浦市尾上町1210番74 変動率8.8%減 基準地価格 6.52万円/平方メートル
2位 常総市水海道山田町字八間西4722番4 変動率7.8%減 基準地価格 3.17万円/平方メートル
3位 三浦市初声町下宮田字沓方1079番104 変動率7.1%減 基準地価格 8.55万円/平方メートル
4位 三浦市南下浦町金田字水神1001番9  変動率6.7%減 基準地価格 7万円/平方メートル
5位 横須賀市長井5丁目2840番1外 変動率6.4%減 基準地価格 7.35万円/平方メートル
6位 横須賀市武5丁目1033番141 変動率6.2%減 基準地価格 9.1万円/平方メートル
7位 横須賀市武3丁目3669番5     変動率5.8%減 基準地価格 8.1万円/平方メートル
8位 三浦市南下浦町松輪字谷戸1675番3外   変動率5.7%減 基準地価格 3.3万円/平方メートル
9位 横須賀市長坂3丁目790番117   変動率5.6%減 基準地価格 8.5万円/平方メートル
10位 常総市新石下字横堤浦4079番4 変動率5.5%減 基準地価格 2.6万円/平方メートル

トップ10のうち、実に神奈川県の8つの地点が占める結果となり、東京圏では1人負けの結果となった。残る2つは茨城県の2地点がランクイン。都心へのアクセスが便利な横浜、川崎の中心部は、変動率の伸びが前年と比較すると縮小したものの、根強い人気に支えられている一方、相模湾に面する三浦、横須賀市は地価下落に歯止めがかからない状況だ。

これらの地域には団塊世代の旺盛な住宅需要を支えた団地やニュータウンが点在する一方で、人口減少や高齢化が進み、住宅地としての魅力が薄れてきている。さらに都心への交通アクセスがよくないことも地価下落に歯止めがかからない要因ともなっている。

また、2地点がランク入りした常総市は、2015年の関東・東北豪雨で甚大な被害を受けたことが響いた。かつては茨城県内で有数の商業都市として栄え、住宅地需要も高かったが、鬼怒川と八間堀川の堤防が決壊し、水海道地区では最大2メートル前後の浸水被害が発生。こうした事態を受けて、同市から転居する住民が続出し、人口減少が加速していることが、住宅需要に勢いを欠く要因となっている。

■東京圏でも人口減少、人気エリアと2極化

東京圏とひとくくりにしても、圏内の都県では住宅地の地価上昇・下落傾向に格差が生じている。日本社会が直面する人口減少による住宅地需要の落ち込みは、地方都市の問題にとどまらず、東京都圏内でも顕著にその傾向が現れ始めている。

都心へのアクセスの利便性から、人気エリアの住宅地の重要は堅調に推移する一方、三浦半島に立地する住宅地は、都心へのアクセスが横浜市や川崎両市に及ばず、かつ高齢化とともに、人口が右肩下がりになり、住宅地需要を喚起できないでいる。いったん人口減少による地価の下落が始まると、なかなか歯止めがかからないのが実情だ。

また、常総市の例では、地震など自然災害に対する脆弱性が高い日本において、1つの被害が人口流出を加速させ、結果として地価の下落を招いてしまうリスクが明らかになった。好調な億ションの販売でにぎわう東京都圏でも、日本社会が抱える高齢化、人口減少問題からは逃れることはできず、じわりとその影響が圏内にも広がりつつある。(ZUU online 編集部)

最終更新:10/2(日) 17:40

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