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特産ヤマトイモ商品一気に増 地域おこしで聖天山参拝客もてなしに熱

埼玉新聞 10/2(日) 10:30配信

 本殿が国宝の妻沼聖天山で知られる埼玉県熊谷市妻沼地域で、地元名物のヤマトイモ関連メニューを使った地域おこしが進められている。くまがや市商工会の呼び掛けで、ヤマトイモを使った料理や飲み物を提供する飲食店が次々と登場。聖天山の参拝客などを地元の特産物でもてなそうと、商品開発は熱を帯びている。

■豊かな大地の恵み

 「1とろ(いちとろ)、2んじん(ニンジン)、3にネギ、4れんそう(ホウレンソウ)、5がゴボウ」。旧妻沼町時代につくられた同地域の特産物を並べたキャッチフレーズがある。

 「いちとろ」と言われたように、ヤマトイモを擦ったとろろは最も身近な食材の一つ。熊谷市最北端を流れる利根川に沿う妻沼小島や善ケ島など、肥えた軟らかめの土壌の地域でヤマトイモは栽培されてきた。

 2010年県野菜生産状況表式調査によると、熊谷市のヤマトイモの作付面積は54ヘクタールで県内1位。タンパク質とミネラルを豊富に含み、消化吸収に優れ、コクと粘り強さを備えるのが特徴だ。11月からが本格的な収穫期。保存性に優れ、通年で活用できるのも飲食店向けの素材といえる。

■ガイド発行が転機に

 地元の若手商店主でつくる「めぬま商人会」とくまがや市商工会が企画し、妻沼地域の観光ガイド冊子「めぬま縦横無尽。4」が2月に発行された。第4弾の今回は地元特産物を前面に出すことをコンセプトとした。

 商工会担当者は妻沼の豊かな自然が生み出すヤマトイモに着目。15年秋からヤマトイモを使った商品開発を各店舗に呼び掛けた。今回のガイド掲載店33店舗のうち、ヤマトイモ関連商品を扱っている約15店舗。それまでは数店舗しかなかったが、一気に増えた。冊子は参拝後の食事のお供にと聖天山の境内などで配布している。

■郷土色豊かなメニュー

 ヤマトイモ関連メニューは、とろろご飯や天ぷら、ピザなど、和洋幅広い。

 洋食店「レストランオリーブ」では昨年11月から「めぬまパスタ」(950円税込)を商品化。ペペロンチーノにしょうゆで味付けしたあんかけ風のとろろが盛られている。チーズとの相性も良く、味に深みをもたらしている。「男性に人気のメニューでリピーターもいます」とオーナーシェフの吉川直樹さん(51)。

 「妻沼の特徴を生かした健康志向のジュースを作っている」という「藤川屋青春館」の店主の須藤晃治さん(60)は、ヤマトイモにケールの葉とリンゴ、レモンを加えた「大和いも魂スムージー」などを開発。今月中旬から販売するという。

 「大福茶屋さわた」では2月に麦とろ飯を主食とした「とろろごわんと季節汁」(800円税込)が仲間入り。ふんわりとやわらかいとろろが実感できる仕上がりに。店長の須永秀子さん(69)は「各店のカラーが出ている。来店していただき、妻沼との縁を深めてもらえれば」と願う。

 同商工会の大久保照夫会長(69)は「地元農家ではヤマトイモが贈答用としても使われている。今後は素材そのものが店頭で販売され、土産品としても楽しんでいただければ、一層盛り上がる」と新展開に期待していた。

最終更新:10/2(日) 10:30

埼玉新聞