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軟式ナインが被災地支援 国体・神奈川代表

カナロコ by 神奈川新聞 10/2(日) 7:11配信

 1日に岩手県で開幕した国民体育大会に出場する神奈川の成年男子軟式野球チームが、8月の台風10号による豪雨被害を受けた開催地の支援に汗を流した。大きな爪痕が残る中でも、大会開催、運営を引き受けてくれた人たちへの思いがナインを突き動かした。

◆大会開催に感謝、プレーで恩返し
 総合開会式を2日後に控えた9月29日、久慈市の山間部に、監督、選手ら24人の姿があった。

 濁流で泥をかぶり、家屋などでは1カ月たってもまだ水が抜けきっていない。選手らは普段手にするグラブをスコップなどに替え、流木や廃棄物を黙々と運び出していた。

 「バイクが流されているなど、思っていた以上にひどい状況だった。少しでも役に立ちたい」。プロ野球ヤクルトでプレーし、今は神奈川代表チームの主体となっている日立オートモティブシステムズで主砲を担う曲尾マイケさんは、そう言って汗をぬぐった。

 久慈市によると、被害は市街地や山間部の広い範囲で起き、1人が亡くなったほか、浸水などの建物被害も2287軒で発生。被害総額の173億5538万円は市の予算規模の約85%に匹敵する。

 当初、国体の軟式野球競技は同市など8市町村で行われる予定だったが、隣接する岩泉町が影響で開催を断念。それでもグラウンドの整備や宿泊施設の手配といった困難を乗り越え、県内外の選手を迎え入れる態勢を整えたという。

 関係者を通じて尽力を知った日立オートモティブシステムズの監督で神奈川代表チームの指揮を執る佐野賢三さんは「開催にこぎつけてくれたのがありがたかったし、何か力になりたかった」と言う。監督、選手の間で開催地に報いたいとの思いが強まり、予定より1日早く岩手に入って支援に取り組んだ。

 選手らが後片付けなどを手伝った家で、1人で暮らす伊藤重子さん(76)は「1人ではどうすることもできなかった。若い方にたくさん来ていただいてありがたい」と感謝した。競技は2日にスタート。主将の小猿将司さんは「今度は元気いっぱいにプレーする姿を見てもらいたい」と闘志を新たにした。

最終更新:10/2(日) 7:11

カナロコ by 神奈川新聞