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映画、観るだけでなく「投資する」時代

ハンギョレ新聞 10/2(日) 10:15配信

投資型クラウドファンディングの導入で 個人314人が「仁川上陸作戦」に投資 収益率25.6%、個人投資時代の幕開け 「狩り」は観客少なく、60%の損失も

 今年3月、映画「仁川上陸作戦」の製作会社は個人投資家314人から制作費5億ウォン(約4600万円)を集めた。以前から「26年」「帰郷」「延坪海戦」のように製作意図を支持する人たちが制作費を募金する事例はあったが、今回は違った。「仁川上陸作戦」は、映画初の投資型クラウドファンディングを受けた事例だ。損益分岐点は観客数450万人。「仁川上陸作戦」に投資した人たちは観客が450万人を下回る場合、投資金を失うが、1000万人を超える場合、収益率は55%に上る。

 1月に非上場株式や債券に投資する投資型(証券型)クラウドファンディングが導入され、ソーシャルメディアを通じて多くの人の資金を集め投資できるようにしたオンライン小口仲介業法が施行されたことで、一般の投資家がクラウドファンディングサイトを通じて投資し、映画が興行に成功すれば配給・流通会社と映画の収益を分配する個人映画投資の時代が始まった。

 「仁川上陸作戦」は結果的に700万人の観客を動員し、25.6%の収益率を記録した。反対に失敗した例もある。6月29日に公開された映画「狩り」は、個人投資家289人が集まり3億3000万ウォン(約3000万円)を投資した。しかし映画は損益分岐点を超えることができず、観客は65万人にとどまり、投資損失は60%ほどと推定される。投資の過熱を防ぐために映画1本がクラウドファンディングで集めることのできる金額は計7億ウォン(約6400万円)、個人投資家1人当たり200万ウォン(約18万円)を超えないよう限度が決められている。「狩り」「徳恵翁主」などのクラウドファンディングを進めたファンディング仲介士Wadiz(ワディズ)は、今冬にも中・大型映画のクラウドファンディングを進める予定だ。

 最近大型配給会社の映画が通常100億ウォン(約9億1300万円)前後の予算で製作されていることを考えれば、7億ウォンのファンディングが実際に占める割合はそれほど大きくない。しかしWadizのユン・ソンウク理事は「クラウドファンディング投資家を調査してみると、投資型参加者は後援型の募金参加者に比べて上映館の参加率が高く、SNSでの広報にもはるかに熱意があると見られる」とし、マーケティング効果が高いという点を強調した。映画「トンネル」や「密偵」などが、ハナ銀行と共に観客数が増えれば預金金利を引き上げるイベントを進めたのも、忠誠心を持つ観客を作り出すための同じ脈絡のマーケティングだ。

 個人投資を集めて映画を作る事例もある。映画「季節の変わり目」(監督イ・ドンウン)はWadizで8500万ウォン(約776万円)を集め低予算映画ファンディング1号となった。ウェブ漫画「悲しい大学院生たちの肖像」を原作にした映画もファンディングに乗り出す予定だ。ユン・ソンウク理事は「クラウドファンディングがうまくいけば、専門投資を決定する私募ファンドでも投資が活発になる。クラウドファンディングが定着すれば、配給・流通会社ではなく観客が直接見たい映画や演劇に投資する直接取引が可能になるだろう」と話した。

ナム・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10/2(日) 10:15

ハンギョレ新聞