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ミスコン出身のリケジョが選んだ「これが私の生きる道」

@IT 10/3(月) 8:10配信

 自分にとっての適職は何か? 今、自分の知っている世界が、世の中の全てではないのではないか? 視野を広げれば、もっと面白そうで、自分に合った仕事が見つかるのでは?――そんな不安に似た思いを持つ就活生は少なくないだろう。

【濱洋乃さんのその他の画像】

 今回お話を伺った濱洋乃さん(24歳)は、大学の数学科で統計学を専攻したリケジョ。大学3年生までは、高校の数学の教員になることを夢見ていたが、あることをキッカケに進路を変更し、現在、「デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム」(以下DAC)で、インターネット広告関連のシステム開発をしているエンジニアだ。

 ちなみに濱さんは、大学時代にミスコンに出場しているほどの美人。そんな美人リケジョがインターネット広告業界を目指した理由とは、どのようなものだったのだろうか?

●子どものころからの夢が揺らいだ理由とは?

 小学生のときから算数が大好きだったという濱さん。小学生時代に通った「公文式」は、学校の授業のペースに関係なく、自分の進度に合わせて勉強を進められるカリキュラムを採用していた。

 「当時から算数ばかり進めていましたね。式を解くのが面白いと感じていました(笑)」

 そんな濱さんの夢は、教員になることだった。高校では理系進学コースを選択し、大学は理工学部数学科を受験。大学入学後は統計学を専攻した。

 「大学3年生までは、数学の教員を目指していました。教職課程も選択して、教育実習で母校の高校にも行きました」

 しかし、その教育実習を経験したことで、教員志望が揺らいでしまった。生徒たちの前で教壇に立つ教育実習は、教員にあこがれている人が仕事を実体験できる絶好のチャンスでもある。それなのに、なぜ心が揺らいでしまったのだろうか。

 「数学を教えること自体は楽しかったのですが、この仕事を続けていく上での“やりがい”って何だろう? と思ったのがきっかけです」

 そこで、長年教員を続けている教育実習担当教諭に、仕事のやりがいを尋ねてみたところ、「教え子の成長を見守ること」という答えが返ってきた。もちろん濱さんもそうした部分には共感できたのだが、「何か物足りない」と感じた。

 「世の中に大きな影響を与えるような仕事も面白いのではないか、そんな仕事に就きたいと考えました」

●広告業界志望のきっかけはアルバイト!

 濱さんは大学時代、飲食店でアルバイトをしていた。そのお店はさまざまな業界の人が利用しており、顔なじみの来店客と話す機会も少なくなかったという。

 そこで濱さんは、就活中であることや数学科専攻であること、適職探しでどんな業界が向いているか悩んでいることなども話したという。

 そんなある日、来店客の1人から「それなら広告業界がいいのではないか?」とアドバイスをもらった。広告業界というと、業界研究をしっかり行っている人以外は、大手総合広告会社をイメージするのではなかろうか。濱さんも当初はその1人だった。

 「テレビCMなどのキラキラとした華やかな世界、という漠然としたイメージを持っていました(笑)」

 しかし話をよくよく聞いてみると、勧められたのはそうした総合広告会社ではなく、メディアレップ事業会社だった。メディアレップとは“media representative”の略で、インターネット広告における媒体社と広告代理店とを仲介する事業を営む事業者のこと。

 広告主や広告会社からの広告出稿依頼に対して、最適な条件となる広告媒体を提案し、広告枠を買い付け、出稿していくのが役割だ。そのため、メディアレップには、さまざまなサイトのデータが集められ、効果的な出稿のためのマーケティングが盛んに行われている。

 「メディアレップなら、面白いデータにたくさん触れられるよ」という言葉が、データフェチ……もとい、リケジョとしての濱さんの心の琴線に触れたのだった。

●メディアレップの根幹を支えるシステムの開発に!

 濱さんがDACの存在を知ったのも、アルバイト先で来店客から教えてもらったからだという。順調に選考を突破し、2014年4月DACに入社。

 DACのテクノロジー部門は大きく分けて、開発部門とデータ分析部門がある。濱さんは面白いデータに触れられるデータ分析部門に配属されるものとばかり思っていた。しかし配属されたのは開発部門だった。

 「最初は、開発……どうしよう……、と思いました(笑)。でも仕事はプログラミングだけではないことが分かり、ホッとしました(笑)」

 濱さんが配属されたのはDMP(Data Management Platform)の開発チーム。そこで主にDBやUIの設計を担当している。DMPとは、インターネット広告で配信対象者のセグメンテーションに利用されるもので、サイト閲覧履歴や属性情報、ソーシャルメディアの情報など、さまざまなデータが集約されている。

 広告主や広告会社は、DMPを利用することで、それぞれの媒体特性を知らなくても、ターゲットとなる人に対して効果的に広告を配信できるようになる。最適な広告を、最適な媒体に出稿するためのマーケティングを行うメディアレップ事業の根幹を支えるシステムであるといえるだろう。

 UI設計では、どのような種類のデータをどのような形で見せるかといった「データの可視化」が重要なテーマとなってくる。

 「営業サイドから、このデータを可視化してほしいとか、こんなデータをモニタリングできるようにしてほしい、といった依頼が寄せられてくるので、このデータならこんなふうに見せたら効果的じゃないかな、など、あれこれ工夫しながら設計し、提案しています」

 大好きなデータの海にどっぷりと浸れる毎日に満足そうな濱さんの笑顔が、とても印象的だった。

●大切なのはいろいろ人の話を聞くこと!

 そんな濱さんに、現在就活中の学生にアドバイスをもらった。

 濱さんは「早い段階から業界や業種を絞り込まない方がいい」という。

 早い段階から業界や業種を絞り込んでしまうと、就活を進めていくうちに、「やっぱり自分に向いていないかも」と気付いたときのリカバリーが遅れてしまう。教育実習で教員の仕事を実際に体験し、そこで疑問を持ち、別の道を選んだ濱さんならではの経験に基づくアドバイスといえるだろう。

 また、業界や業種を絞り込んでしまうことで、得られる情報が限定的になってしまう点も指摘してくれた。せっかくの貴重な情報を前にして「自分の志望先には関係がない」と、目を閉じ耳をふさいでしまう可能性もある。異なる業界や業種と比較検討してこそ、自身が志望する業界や業種の魅力が見えてくることもあるのだ。

 さらに「情報を収集するためには、いろいろな立場や職業の人と話をすることも大切」だという。

 濱さんも、就活中であることや統計学専攻であること、やりがいのある仕事を探していることをアルバイト先で相談したからこそ、通常の就活では目にとまらなかったメディアレップ事業という世界や、DACという企業を知ったのである。

 そして自身の反省も含めて「インターンシップは積極的に活用するべき」だと力説する。濱さんの場合、教育実習というある種のインターンシップを経験したものの、企業のインターンシップは利用しなかった。

 「企業の説明会では表面的な情報しか得られません。早い段階で目当ての企業で就業体験をして、社内の雰囲気や現場の先輩社員たちと話す機会を作っておければ、多くの疑問や不安も解決できます。私も、この業界の仕事をもっと早く体験できていれば良かったと今は思います」

 最後に、濱さんの現在の目標を伺った。

 「新しいプロダクトの開発に、ゼロから携わっていきたいですね。そしてゆくゆくは、プロダクトマネジャーとして、ものづくりをマネジメントしていきたいです」

 ミスコン出場のリケジョは、既に次の目標を見据えていた。

●次回も、トップエンジニアに就活のアドバイスを聞く

 本連載では、今後もIT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていく。ぜひお楽しみに。

最終更新:10/3(月) 8:10

@IT