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清水翔太は次にどんな扉を開けようとしているのか―彼の最新のミュージックマインドを探る/インタビュー1

エキサイトミュージック 10/3(月) 21:45配信

 
■清水翔太/New Single『My Boo』インタビュー(1/4)

核心と確信と革新が渦巻く勝負作だった『PROUD』を経て、翔太が次に向かうのは……?

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今年5月から始まった『LIVE TOUR 2016 “PROUD”』を、9月26日、大阪城ホールで盛況のうちに終えた清水翔太。そのツアー中に書き下ろしたという新曲「My Boo」は、ヒップホップ寄りに大きく舵を切った最新アルバム『PROUD』のサウンドカラーをキープしつつ、歌詞にいちばん力を注いだという一曲。カップリングの「milk tea」は、幸せなカップル像を描いた、久々のあったかミドルソングに仕上がった。核心と確信と革新が渦巻く勝負作であった『PROUD』を経て、清水翔太は次にどんな扉を開けようとしているのか。インタビューの時点では日本武道館と大阪城ホールの公演を残していたツアーの手応えについても話を訊き、彼の最新のミュージックマインドを探った。
(取材・文/猪又 孝[Do The Monkey])

「僕は普段から上手に韻を踏むことしか考えてないんですよ」

――新曲「My Boo」の制作は、どんな気持ちから始まったんですか?

翔太:今まではエバーグリーンな感覚を大事にして曲を作ってきたんですけど、言っても僕も27歳だし、若さで曲を作れることのタイムリミットが見えてきたなと思ったんですね。だから、今のうちにそういう感覚で作っておこうと思って書いた曲なんです。

――意識したのは同世代とか、自分より下の世代?

翔太:そうですね。今の若い男の子たちが自分のパートナーとかにこっそり思いを伝えられるような……たとえばカラオケで歌ったりとかドライブ中にかけたりとか、そういう風にして使ってもらえればいいなって。シャイな男心をできるだけフレッシュな感覚と言葉で書いたんです。

――不器用で照れ屋で内心強気な男の子が主人公。歌詞に「GIVENCHY」と出てくるからハイファッション系のBボーイかな?とも思ったし。

翔太:そうですね。自分のリアルをフレッシュに落とし込んでいこうと思って。僕は今、財布がGIVENCHYで携帯がGALAXYなんですよ。

――この曲はトラックが先に出来上がっていたの?

翔太:歌詞が先だったと思います。結構珍しいパターン。先にリリックをあらかた書いて、そこからトラックを作ったんです。

――トラックはざっくり言うと『PROUD』の延長上にある方向ですよね。

翔太:そうですね。ただ、『PROUD』のときよりは、もうちょっと理解してもらえるような曲にしたいっていうのがあって。平たく言うと“キャッチーに”っていう。『PROUD』のときの感覚を上手くキャッチーに落とし込めたら、っていう意識でトライした曲なんです。

――キャッチーにするために注力したことは? 

翔太:いちばんは歌詞です。ツアーをやってみて『PROUD』は詞が難解な部分もあったかもと思っていて。難解というか、自分の中の裏テーマみたいなものがありすぎて、それがおそらくひとつも伝わってないというか、たぶんひとつもそれを解き明かした猛者はいないと感じているんですよ(苦笑)。だから、そういうメチャクチャはやめようと思って。

――オブラートに包み過ぎるとか、含みを持たせ過ぎる言い方はやめようと。

翔太:そうなんです。包み過ぎたら効果がないなと思ったから。今回はいい具合にわかりやすく書いたつもりだから、「これってどういう意味なのかな?」っていうところはないと思うんです。

――まあ、タイトルの「Boo」はスラングだから、ちょっとわかりづらいかもしれないけど。

翔太:けど、ググれば答えが出てきますからね。『PROUD』でやったことは自分の心の中にしか答えがないから、ググっても出てこない(笑)。そこまで隠すのはやめようと思ったんです。でも、サウンドとかビートは、変わらずカッコいい方向にトライしていきたいなっていう気持ちがありますね。

――今回、ヴァース部分のラップには、『PROUD』のとき以上のライミングへのこだわりを感じました。

翔太:『PROUD』を作っているときから、僕の中で最も重要な要素は韻なんですよ。韻を踏むということ。日本って韻というものに対しての評価がすごく低いと思うんです。ラップにしかないじゃないですか、韻を踏むこととか韻を上手に踏んでいることへの評価って。でも、海外だと韻を踏むくらいは超絶当たり前。普通のポップスでやってるから。

――ビートルズもボブ・ディランもやってるからね。

翔太:だからもう、僕は普段から上手に韻を踏むことしか考えてないんですよ。

――毎日フリースタイルダンジョンみたいな(笑)。

翔太:いや、フリースタイルはできないけど(笑)。でも、そうやってラップの世界では韻とかライミングが注目されるのに、J-POPとか歌の世界での無視のされ方はハンパじゃないなと思って。そこで僕は韻を押していきたいんですよね。

――それにしても、今回はすごく丁寧に踏んでるよね。「来週へ」と「最優先」のライミングは固いなと思ったし。

翔太:僕もそこ、好きです(笑)。

最終更新:10/4(火) 21:45

エキサイトミュージック