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iPhone 7/7 Plusのカメラ画質はどれだけ向上したのか?――6s/6s Plusと撮り比べ

ITmedia Mobile 10/3(月) 16:31配信

 今、最も多く使われているデジカメといえるiPhoneであるが、今回の7系もカメラ機能を強化してきたのである。

【4機種の撮影を並べて比較】

 iPhone 6sから7へ。iPhone 6s Plusから7 Plusへ。この4台、まとめて画質チェックである。

 アウトカメラの画素数はどれも1200万画素。画素数を上げればいいってもんじゃなく、スマホにおさまる「レンズ+イメージセンサー」のサイズを考えると、それほど大きくはできないわけで(まあ分厚くなってもよければ話は別だが)。であれば無理に画素数を上げるよりも、ある程度実用的なサイズの中でクオリティーを上げていく方が道としては正しい。どんな「道」だよといわれても困るけれども。

 でもレンズは6s系と7系でちょっと違う。6s系は4.2mmで29mm相当でF2.2。7系は4.0mmで28mm相当でF1.8。要するにほんのちょっと広角になり、少しだけ明るくなった。

 ついでにいえば、7 Plusはカメラを2個並べた「デュアルカメラ」である。よく「デュアルレンズ」と呼ばれるけど、異なったカメラを2つ並べているので、「デュアルカメラ」と呼ぶべきじゃないかと思うわけである。

 さて、まあ細かい能書きはすっとばして、さっさと作例をどうぞ。

●いつものぞうさんとあずまやとガスタンク編

 まずは黄色いぞうさんの滑り台。

 なぜずっとこれを撮っているかというと、昔のケータイのカメラ(それこそ35万画素とかの時代)は実に性能が低くて、黄色いところに陽射しが当たるとすぐ白飛びしちゃっていたのだ。その辺の性能を見るためのちょっと意地悪な被写体だったのである。今となってはそんなカメラはないんだけど。

 でも今でもよく見ると機種による違いは出る。よく見ると7系の方がシャドー部がちょっと持ち上がっていてダイナミックレンジが広く見える、色がややしっかり乗っている感じだ。

 続いてあずまや。ここは季節による変動が少ない自然で、松葉でディテールの描写力をチェックできること(松なら冬でもOKだし)と、明暗差が大きいのがポイントだ。

 明暗差が大きいため、どのモデルも自動でHDRがかかった。よってHDRで比較する。滑り台同様、7系の方がシャドー部がつぶれずにしっかり出ている。これは大事。空の色も7系の方がナチュラルだ。

 定点観測シリーズ3番目はガスタンク。これは最近始めた被写体で、球形ガスタンクのグラデーションはきれいに出ているか(ただ天候に左右されるので今回のように快晴に恵まれないときつい)、青空、そしてディテールがポイントだ。手すりやアンテナ、手前の注意書きの文字がどのくらいつぶれずに出ているかを見るのにいい。もちろん季節による変動もないし。

 これを等倍でチェックすると、7系の方がノイズが少なくて滑らかってことが分かるかと思う。分かりやすくするために等倍で並べて見た。

 同じ1200万画素でも微妙に改善されているのだ。

●ディテール描写とデジタルズーム編

 続いて、ディテール描写力とデジタルズーム性能編。横浜はみなとみらいで、三脚を立ててきっちり撮り比べてみた。

 ちなみに、6s系と7系で写っている範囲が微妙に違うのは、7系の方がちょっと広角だからだ。

 で、だな。iPhone 7 Plusが光学2倍だ、最大10倍だ、といっているので、デジタルズームのテストをしてみることにした。

 iPhone 7 Plusの光学2倍の話は別稿であれこれ検証して書いたのでそちらをご参照ください。

 iPhone 7 Plus以外の機種はデジタル5倍ズームなので、iPhone 7 Plusもそれに条件を合わせて「5倍ズーム対決」である。つまりiPhone 7 Plus以外の機種はめいっぱいデジタルズームをかけて、7 Plusだけは5xにとどめて撮ったわけだ。

 5x望遠時の画角に微妙な違いはあるが、こんな感じ。見比べると確かに、デジタル5倍ズームと、光学2倍カメラで約2.5倍しているのではディテールの描写力が違うのであった。

 せっかくなので、iPhone 7 Plusの光学2倍とデジタル10倍の作例もどうぞ。

 まあデジタルズームをかけると当然画質は大きく劣化するわけで、実用的かといわれるとアレだけれども、節度を持って使うなら、SNSやブログ用に使えるレベルだと思うわけである。

 なお、iPhone 7 Plusの方がデジタルズームの操作はこなれていて扱いやすいので、デジタルズームを多用する人はPlus一択ですな。

●人を撮ったときに差は出るのか編

 スマホで最もよく撮られる被写体は人物である。たぶん。私の場合は猫だけど。料理という人もいるだろうけど。一般的に人ってことでいいかと思う。

 そこでポートレートを。薄曇り中心の空模様でいまひとつぱっとしないのは残念ではあったけど、そこはしょうがない。

 特にすげーって写りでもないけど、どれも自然に撮れている。ただ、7系の方が血色がいい感じ。もうちょっと顔が明るく撮れてもよかったかな。

 さて、今までiPhoneを使っていて気になってたのは逆光時。

 背景の方が明るいと、光が当たっていない顔は暗く写る。当たり前といえば当たり前なのだが、昨今、多くのデジカメやスマホでは、顔を検出したら背景を白飛びさせてでも顔の明るさや色を最優先にする処理が主流になっている。

 iPhoneはそういう処理を特にしていないようで、逆光だと素直に顔が暗く写っていたのだ。そこは7になって改善されたか、わざとiPhoneが苦手なシーンで撮り比べてみた。

 6sだと顔がかなり暗く写っているのに対し、7系ではちょっと改善されている。肌色もしっかり出ている。ここは進化した点だ。ただ、個人的にはもっと顔に露出を合わせて明るくしちゃってもいいと思う。どうでしょう。

●自撮り編

 昨今、自撮り用のインカメラ(FaceTimeカメラ)も大事である、ということでここも新しくなった。

 6s系の500万画素から、7系は700万画素へ。6系とSEは120万画素だったのだから、ここ2年で急激に画素数が増えたのが分かる。

 これに関してもアウトカメラと同様の傾向で、7系の方がちょっと顔色がよく出ると思っていい。

●暗所に強くなったというのは本当か編

 夜景ニーズってのはけっこうあるわけで、暗所編である。

 まずはオーソドックな夜景から。このくらいの代表的な夜景なら6s系でも7系でもしっかり撮れる。でもよく見ると、7系の方がなんか華やかである。6s系の方が空がちょっとくすんでいる感じがある。

 夜景が見栄えよく撮れるようホワイトバランスを調整してきたな、と思う。もう1つ、6sだけ光学式手ブレ補正が搭載されていないため、暗所ではISO感度が上がり全体にノイジーになるのも相違点だ。

 で、どれがいいかといわれたら7系だよな、とは思う。ぱっと見た感じ夜景っぽくてきれいだもの。ちょっとブルーがかっててクールなのも都会の夜景っぽい。夜景を撮るなら7系である。

 次は超暗所編。6s系は暗所に弱いといわれていた。夜景くらいならいいけど、もっと暗くなるとギブアップする傾向にあったのだ。7系ではそこで粘るようになったか。

 それを探るために、夜、ライトアップもされてない、街灯もまともに当たらないジメジメしていて狭くて暗い地下水路脇に咲いていた彼岸花を撮ってみたのである。

 結果は以下の通り。iPhone 6sはもう暗すぎてギブアップ。6s Plusはちょっと頑張った。7系は……ちゃんと撮れたのである。まぎれもなく深夜の彼岸花だ。

 まあデジタルカメラなので、手ブレを気にせずガシガシシャッタースピードを落としたり、ノイズを気にせずガシガシISO感度を上げたりしてやれば、暗所での撮影を可能にできるのだが、ある程度のクオリティーを保ちつつとなるとムチャはできない。今回は暗部の処理を頑張ってここまで達したと思っていいだろう。

 ここまで撮れたらもう何の問題もあるまい。えらいもんである。よく見るとピントもそれなりに合っているし。

●近距離写真でホワイトバランスの違いを見た編

 最後は近距離での作例特集。まずは彼岸花を真上から。実はこれ、ホワイトバランスを合わせるのが比較的難しいアングルなのである。

 で、6系と7系で見事に色に違いが出ました。よりナチュラルでいい感じなのが7系。6系はちょっと青すぎて彼岸花の色がより不気味になってしまったのだ。

 色のバランスは改善されたもよう。

 近距離作例といえばやはり料理。まずは明るい店内でのランチ。ホワイトバランスがわずかに異なる程度で大きな差はなし。

 続いて夜の洋食屋でハンバーグ。店内は暗かったので限界はあるけれども、7系の方が少し暗部も明るく色温度も低めに。

 いろいろ撮った中で6s系と7系で差が見られた、ホワイトバランスが難しいものを選んで並べてみた。ホワイトバランスやダイナミックレンジで改良が見られたといっていい。微妙に進化しているのが分かるかと思う。

●iPhone 6s vs 7の感想は?

 さて、ユーザーとしては比べたいのは、6sと7、6s Plusと7 Plusでしょう。ということで、最後にそれぞれについてコメントを。

 iPhone 6sと7の一番の違いは、なんといっても光学式手ブレ補正の有無。細かいレンズの違いや絵作りの違いはあれど、使い勝手の差が出るのがここだ。

 6sでも手ブレはあまりしなかったと思うが、それはシャッタースピードを高めに維持して手ブレしづらい作りになっていたからで、最終的にブレるブレないでいえば、7の方が手ブレしづらい。

 また、暗所への対応力があがり、今までより暗い場所でもOKになった。手ブレを防ぎたい人なら買い換えの価値あり。

●iPhone 6s Plus vs 7 Plusの感想は?

 6s Plusと7 Plusの一番の違いはデュアルカメラ化したこと。

 これによって、57mm相当のほんのちょっと望遠な画角で撮れるようになった。ズームのインタフェースもよくできているので、さっとカメラを向けて、もうちょっとと思ったらワンタップでさっと2倍になる。これは使っていて実に気持ちいい。

 ズームレンズ搭載のカメラって、ズームレバーでうに~~とレンズをモーターで動かすので、ズーミングにちょっと時間を要する。

 デュアルカメラで切り替えるだけなら一瞬で済む。意外に、ズームレンズよりデュアルカメラの方が有効なんじゃないかという気がするのである。

 遠くのものを大きく撮るためより、アウトカメラでは画角が広すぎるときにいい。28mm相当の広角より、57mm相当の方が人や物の形をきれいに撮れるからだ。

 最終的にどっちのカメラで撮影されるかはiOSにおまかせとなるものの(詳細は別記事参照のこと)、自分で使うカメラを決めたいならiPhone 7 Plusのカメラアプリ(すでにいくつか出ている)を使うという手もある。

 広角とやや望遠をワンタップで切替ながら使える快適さはよい。ちなみに個人的にiPhone 7か7 Plusかと聞かれたら、7 Plusと答える。だって画面がでかいもの。

 画面がデカいと撮影時も細かいところまでよく見えるし、鑑賞時も迫力あって見やすいし、何より「写真」アプリやフォトレタッチアプリで修正したいときに扱いやすい。他にも画面がでかくて解像度が高いことで用途が広がる。

 メールの送受信やSNSやメッセージングがメインなら7でもいいんだけど、それ以上に何か新しいことをしたいなら7 Plusである。デカくて扱いづらいという難点以上に、利点が大きい。

●でもシャッター音はなんとかしてほしいよねえ

 7系の一番の欠点はすでに多くの場所で語られている通り、「シャッター音がデカい」こと。

 無音にしたiOS9の6sよりiOS10の7の方が明らかにデカい。一緒に食事していた人(iPhone 5sユーザー)が「今の音ナニ!」とびっくりしたほどである。静かな場所で使うのははばかられるレベルなのだ。

 音を消すわけにはいかないとしても、音量をここまで無理に上げることもあるまい。せめてiOS9時代の製品や他社スマホ並に戻していただきたい。連写なんてした日にはけたたましくて恐縮するレベルである。Live Photosをオンにしてちょっとかわいい音にする(それでもiOS9時代のLive Photos音より大きい)のが一番無難な策だ。裏技が発見されているけど、いつまで使えるか分からない技だしね。

 さて最後になるが、今回の作例比較を見て、それほど違わないな、と思った人もいるかもしれない。

 でも、6s Plusから7 Plusへ買い換えたユーザーとしては「ずいぶん画質がよくなったなあ」と感じている。それはたぶん、カメラに加えてディスプレイのクオリティーも上がったからだ。表示できる色域がsRGBよりちょっと広くなり、どの角度からでもくっきりと鮮やかに見えるようになったのである(「True Tone」ディスプレイと呼ばれている)。

 だからすごく気持ちよく撮れるし、きれいに撮れた気になるわけである。いろいろと進化を続けているのだ。

最終更新:10/3(月) 16:31

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