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9月の「円安」関連倒産は5件、2カ月ぶりに前年同月を下回る

東京商工リサーチ 10/3(月) 16:00配信

「円安」関連倒産(9月速報値)

 9月のドル円相場は、概ね1ドル=102円を軸として推移した。米国の早期利上げ観測が後退するなかで、9月21日の日銀金融政策決定会合における長短金利操作付きの新型金融緩和の導入を受けて1ドル=102円後半まで動いた。しかし、日銀の政策決定に対する評価が分かれたことや米国の連邦準備制度理事会が利上げを見送ったことで、ドル円相場はその後に100円前半まで円高に振れた。
 為替相場は今年1月以降、「円高・ドル安」が進んできたが、相場関係者の中では円高要因になっていた日本の貿易黒字拡大に鈍化の兆しが出てきたことで、円高局面のピークが近づいているのではとの声が出ている。
 こうしたなか、2016年9月の「円安」関連倒産は5件(速報値、前年同月6件)で2カ月ぶりに前年同月を下回った。円安や円高に関わらず、為替変動の大きな振れは、中小企業の経営に与える影響が大きいため今後の為替相場の動きが注目される。
  
2016年9月の倒産事例
 自転車・バイク用鍵販売の(株)斉工舎(TSR企業コード:400039141、法人番号:8180001074118、愛知県)は、チェーンロックの自社ブランド「SAIKO」が高級品として知られ、ピーク時の売上高は17億円を計上していた。しかし、最近は減収傾向を辿り、円安による仕入コスト上昇も加わり連続で最終赤字になった。債務超過に陥ったことで破産を申請した。
 婦人服卸の(株)KSカンパニー(TSR企業コード:402557654、法人番号:7180001059210、愛知県)は、中国や韓国など海外に製造を委託して、主に若い女性向け商品を扱い平成23年1月期には約2億6,500万円の売上高を計上していた。しかし、低収益だったところに、円安進行による仕入価格の上昇から利益確保が一層困難になり、破産を申請した。

1-9月の産業別、小売業が前年同期を上回る
 2016年1-9月の「円安」関連倒産は78件(速報値・前年同期比32.1%減、前年同期115件)と前年同期より3割減で推移している。こうしたなか、産業別では小売業が8件(前年同期6件)と前年同期を上回っている。今後も輸入品や海外からの原材料などを扱う企業の動向が注目される。

東京商工リサーチ

最終更新:10/3(月) 16:00

東京商工リサーチ